キャッチボール 第25話
その時、
「やめろ!」
龍吾が咄嗟にかばってくれた。
「やめて下さい。お願いします。」
「お前には関係ないだろ。」
「みーくんは!バットで殴られることが怖いんです。」
「知るかそんなもん。」龍吾は僕を必死にかばってくれた。なんて表現したら分からないくらい、嬉しかった。
「みーくん。こいつと一緒に行ってはダメだ。逃げるぞ。」
龍吾の目は、何かを決意したかのように鋭かった。
「う…うん。」
「大丈夫か。」
龍吾の方が痛そうなのにまず僕の心配をしてくれた。
2人は力一杯逃げた。
辺りはもう真っ暗だった。気がつくと、田んぼのあぜ道まで来ていた。
「もう…大丈夫。」
龍吾はその場に腰掛ける。僕は緊張が解けたのか急に体中が痛くなった。「痛い…。」
すると龍吾も、
「オレも…。」
と言って龍吾も腕をおさえる。
「ちっと殴られすぎた。」
「ごめん。僕のために。」
龍吾は笑みを浮かべて、「オレが…オレの体がなんか…騒いだんだ。で、来てみたら、やっぱり…。」
僕は嬉しくて涙がでた。「泣くなよ。みーくん…」
辺りがどんどん暗くなっていく。
「今日はウチ泊まってけよ。また殴られるとオレも心配するから。」
「分かった。」
「それよりさ…。グローブ、持っててくれたんだな。」
「…汚れちゃったけどね。」
「いや…嬉しい。オレ…あげて良かったって思った。」
龍吾に笑顔が戻る。僕も自然と笑顔になれた。
でもなぜか龍吾は真剣な顔に戻った。龍吾にはひとつ、気にかかることがあったからだ。
「それでさみーくん…。オレ、信じられないんだけど、転校するのか?」「まだ…分からない。」僕は笑顔が消えて、下を向いたまま答えた。
「…だよな。親が勝手に決めてるんだもんな。」「…だね。」
適当に相槌を打つしかない。僕も急に言われたことだから。
もし、転校する事になったら、どうしよう。
僕の胸に暗い闇が渦巻き始めた。
龍吾は泣いていた。
僕はただ龍吾の言葉を素直に聞くことしかできなかった。
「やめろ!」
龍吾が咄嗟にかばってくれた。
「やめて下さい。お願いします。」
「お前には関係ないだろ。」
「みーくんは!バットで殴られることが怖いんです。」
「知るかそんなもん。」龍吾は僕を必死にかばってくれた。なんて表現したら分からないくらい、嬉しかった。
「みーくん。こいつと一緒に行ってはダメだ。逃げるぞ。」
龍吾の目は、何かを決意したかのように鋭かった。
「う…うん。」
「大丈夫か。」
龍吾の方が痛そうなのにまず僕の心配をしてくれた。
2人は力一杯逃げた。
辺りはもう真っ暗だった。気がつくと、田んぼのあぜ道まで来ていた。
「もう…大丈夫。」
龍吾はその場に腰掛ける。僕は緊張が解けたのか急に体中が痛くなった。「痛い…。」
すると龍吾も、
「オレも…。」
と言って龍吾も腕をおさえる。
「ちっと殴られすぎた。」
「ごめん。僕のために。」
龍吾は笑みを浮かべて、「オレが…オレの体がなんか…騒いだんだ。で、来てみたら、やっぱり…。」
僕は嬉しくて涙がでた。「泣くなよ。みーくん…」
辺りがどんどん暗くなっていく。
「今日はウチ泊まってけよ。また殴られるとオレも心配するから。」
「分かった。」
「それよりさ…。グローブ、持っててくれたんだな。」
「…汚れちゃったけどね。」
「いや…嬉しい。オレ…あげて良かったって思った。」
龍吾に笑顔が戻る。僕も自然と笑顔になれた。
でもなぜか龍吾は真剣な顔に戻った。龍吾にはひとつ、気にかかることがあったからだ。
「それでさみーくん…。オレ、信じられないんだけど、転校するのか?」「まだ…分からない。」僕は笑顔が消えて、下を向いたまま答えた。
「…だよな。親が勝手に決めてるんだもんな。」「…だね。」
適当に相槌を打つしかない。僕も急に言われたことだから。
もし、転校する事になったら、どうしよう。
僕の胸に暗い闇が渦巻き始めた。
龍吾は泣いていた。
僕はただ龍吾の言葉を素直に聞くことしかできなかった。
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