輪 6
圭織さん?行きますよ?っと、彼はポヤーっとしていたのを見かねたのか、なんと私の手をひいて歩き始めてくれたのです!
初めて繋いだ彼の手は、ごつごつして、大きくて…すごく冷たかった。
ん?今…手繋いでるよね?
えぇーっ!?
き、緊張してきちゃった。
ドキドキするっ…!
ど、どうしよ…熱が伝わってるんだよね!?
あっ、心臓の音って手から伝わるのかな…?
もし聞こえてても…
「さぁ、着きましたよ?ここが僕の家です。上がってください。」
「はぅっ!?は、早いね。」
ここに来て私の妄想はストップした。
「…ふぇー…おっきな家。あ…お、お邪魔します!!親は居る?私、挨拶しなきゃっ!」
「ははっ…実は両親と別居してるんだ。そのほうが学校から近いし、何かと便利なんですよ?」
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