ほんの小さな私事(54)
図書館に到着すると、私たちは先ず、入り口にある受け付け口を覗いた。
事務室の中では、パソコンの前に座って伝票処理している林さんの姿と、その横で、何かの帳簿を開き、図書カードを見ながら色々とその帳簿に書き込む作業をしている山下さんの姿があった。
「やっほ!今取り込み中?」
高野さんが軽い挨拶をすると、それに山下さんが反応した。
「あ…ううん、大丈夫。取り敢えず、暇な間にやっておける事やっておこうと思って、利用名簿のチェックしてたんだけど、もう殆ど終わりだから。」
山下さんはそう言ったあと、帳簿にしおり代わりに定規を挟み、カードの束を机の上に置いて、窓口の側にやって来た。
「取り敢えず、中に入る?」
「あ、いいよ、ここで。どうせ後で私たち、本見に行くし。」
高野さんは、そう山下さんに言ったあと、不意に私の肩を捕まえて、窓口前に押しだしつつ、言葉を続けた。
「それと、今度から沙羅ちゃんが、私と一緒にうちのクラスの図書委員やってくれる事になったから、よろしくねー。」
「そ…そういう事になりました。お仕事とか解らない所は色々と教えてくださいね。」
高野さんの勢いに戸惑いつつ、私はそう山下さんに言うと、彼女は嬉しそうな顔を見せて言った。
「沙羅ちゃんが図書委員になってくれたんだ!知ってる顔の人が同じ委員になってくれるのは嬉しいな。解らない事とか何でも言って。あたしとか林さんで教えるから。」
そんな彼女は、満面の笑顔を見せていた。昨日の放課後の事など、今は何事もなかったかの様に、その表情は明るくなっていて、私は少し安心感を覚えた。
事務室の中では、パソコンの前に座って伝票処理している林さんの姿と、その横で、何かの帳簿を開き、図書カードを見ながら色々とその帳簿に書き込む作業をしている山下さんの姿があった。
「やっほ!今取り込み中?」
高野さんが軽い挨拶をすると、それに山下さんが反応した。
「あ…ううん、大丈夫。取り敢えず、暇な間にやっておける事やっておこうと思って、利用名簿のチェックしてたんだけど、もう殆ど終わりだから。」
山下さんはそう言ったあと、帳簿にしおり代わりに定規を挟み、カードの束を机の上に置いて、窓口の側にやって来た。
「取り敢えず、中に入る?」
「あ、いいよ、ここで。どうせ後で私たち、本見に行くし。」
高野さんは、そう山下さんに言ったあと、不意に私の肩を捕まえて、窓口前に押しだしつつ、言葉を続けた。
「それと、今度から沙羅ちゃんが、私と一緒にうちのクラスの図書委員やってくれる事になったから、よろしくねー。」
「そ…そういう事になりました。お仕事とか解らない所は色々と教えてくださいね。」
高野さんの勢いに戸惑いつつ、私はそう山下さんに言うと、彼女は嬉しそうな顔を見せて言った。
「沙羅ちゃんが図書委員になってくれたんだ!知ってる顔の人が同じ委員になってくれるのは嬉しいな。解らない事とか何でも言って。あたしとか林さんで教えるから。」
そんな彼女は、満面の笑顔を見せていた。昨日の放課後の事など、今は何事もなかったかの様に、その表情は明るくなっていて、私は少し安心感を覚えた。
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