携帯小説!(PC版)

無傷の僕

[213]  なな  2009-07-27投稿

ブレーキの
壊れた車を
運転しているような
毎日を送っていた

あの頃


景色を見る
余裕もなく

流れる音楽を聴く
穏やかさもなく

右足を
踏んで


止まれ
止まれと

力を入れても
止まらず

走りたくもない
道を
繰り返し
走っていた
あの頃



1度


思い切って
ぶつかってしまえば
止まれたかも
知れないのに

ぶつかる
勇気のなかった




いつもそう

勇気がなくて
避けてきた

ぶつけて
壊れてしまうのが
傷つくのが
怖かった

だから
何も変わらなかった



最後は




燃料切れ



無傷の車は






残ったのは

何も変わらない


無傷の






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