無傷の僕
ブレーキの
壊れた車を
運転しているような
毎日を送っていた
あの頃
景色を見る
余裕もなく
流れる音楽を聴く
穏やかさもなく
右足を
踏んで
止まれ
止まれと
力を入れても
止まらず
走りたくもない
道を
繰り返し
走っていた
あの頃
1度
思い切って
ぶつかってしまえば
止まれたかも
知れないのに
ぶつかる
勇気のなかった
僕
いつもそう
勇気がなくて
避けてきた
ぶつけて
壊れてしまうのが
傷つくのが
怖かった
だから
何も変わらなかった
最後は
燃料切れ
無傷の車は
僕
残ったのは
何も変わらない
無傷の
僕
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