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天駆ける時間61

[297]  ユータ  2006-07-23投稿
黒装束の男がカケルに攻撃を仕掛けてきた。クナイの鋭い突きを何とかかわすが、肘や蹴りがもろに決まる。「ぐはっ」地面を転がりようやく止まったカケルの背中を男は踏み付けた。
「ふっ…光の戦士になって数カ月でベアーを倒すとは褒めてあげよう…しかし、私を倒す事はできないがね!」ぐりぐりと踏み付けて、さらに体重をかけてくる。カケルは息が苦しくなって視界が霞んできた。しかし、無我夢中で刀を振り回し、横に転がる。何とか立ち上がったが、足がふらふらして、口の中が鉄臭い…血の味がした。するときゅうに男が笑いだした。
「カケル君…君の友達は残念だったね…」
痛みに堪えながら男を睨む、「なぜしってる…」男は笑った。「君は馬鹿だねぇ…大馬鹿だ…何故ってそれは俺が殺したからさ」
殺した…こいつがユータを…殺した…怒りが込み上げてくる。体の痛みなんか麻痺する程歯を食いしばり、柄を強く握る。
「本当は君を殺すつもりで私の最高の閃術を使ったのに、あの馬鹿が助けたりするから、わざわざこうして直々に来たってわけさ」
こいつが…ユータを…殺した…胸がドクンと強く打つ。「さぁ…話は終わりにしよう」 男は腰から刀を抜いた。

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