携帯小説!(PC版)

wakening?

[389]  182  2006-07-23投稿
修介は大きくあくびをして立ち上がった。教室をでるとすぐに由紀が声をかけてきた。春香もいっしょだ。  「やっぱり午後の授業も寝てたね」  由紀は微笑んだ。  「…お前ほんとよく俺に絡んでくるよな?」  修介はめんどくさそうに聞いた。  「そういえば由紀、いっつも修介君としかしゃべらないよね!?他の男の子としゃべってるとこ見たことないもん。」  春香がすかさず言った。  「…そぉかなぁ?けっこうしゃべってるよ…。」  由紀の声がいつもより小さくなった。  「由紀、男の子にすごい人気あるのにもったいないよぉ。しゃべりかけられてもいつも無表情で返事少ないし。」  「ふ〜ん…。由紀けっこうモテてるんだ。まぁ、こいつ人見知りはげしいしな。」  修介と春香がそんな話しをしている間、由紀はずっと下を向いたまま無言だった。  3人は玄関で靴を履き替えると正門に向かった。  正門を出ようとしたとき門のそばに1人の男子生徒が立っているのに気づいた。  初めて見る顔だ。その生徒は3人の視線に気づき、こちらのほうに顔を向けた。  とても冷たい視線だった。濁った目、白い肌。死んだ人間のようだ。  修介でもおもわず目をそらしてしまった。  「誰だろあれ?1年生かな…?」  春香のいつもの大きな声も小さくなっていた。  「何ビビってんだよ」  修介は由紀に言った。由紀はすごくおびえているようだった。  「だって…私のことスッゴい睨んでたから…。」  由紀はうつむきながら言った。

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