悲鳴
真夏の夜
事件は起きた。
夜の10時頃 残業を終えた私は、重い足を引きずって家路に向かっていた。
周囲は閑静な住宅街。
上り坂もきつい。
住宅が密集しているわりには歩道は狭く暗かった。
油のように身体に纏わり付く汗が気持ち悪い。
早く帰ってシャワーを浴びたい。
ふと背後に人の気配を感じた。
足音も聞こえた。
角を曲がったまさにその瞬間
後ろから羽交い締めにされた。
荒々しい鼻息と口臭 汗臭い体臭から男だと認識した。
はじかれたように叫び声が出た。
金切り声だった。
耳をつんざくような私の叫び声に驚いた男が、私を強く突き飛ばした。
自分でも自分の声に驚いたほど悲鳴は周囲に轟いた。
路上に倒れ込んだ私は、あわてふためきながら逃げる男の後ろ姿を見た。
黒い帽子に黒づくめの服装。
顔は見ていない。
男が走り去る後ろ姿を呆然と見つめながら、私は路上に、へたり込んでいた。
膝が震えて立てない。
その時 私は周囲を見渡した。
人っ子一人 外に出てくる住人はいなかった。
明かるい窓際からも人影は見当たらない。
なんで?
あんなに甲高い悲鳴を上げたのに?
まさか誰も気づいていないとか?
しばらく放心状態だったが警察が来る気配もない。
なんてことだ…
新たなる恐怖を感じた。
誰も助けてはくれない。
事件は起きた。
夜の10時頃 残業を終えた私は、重い足を引きずって家路に向かっていた。
周囲は閑静な住宅街。
上り坂もきつい。
住宅が密集しているわりには歩道は狭く暗かった。
油のように身体に纏わり付く汗が気持ち悪い。
早く帰ってシャワーを浴びたい。
ふと背後に人の気配を感じた。
足音も聞こえた。
角を曲がったまさにその瞬間
後ろから羽交い締めにされた。
荒々しい鼻息と口臭 汗臭い体臭から男だと認識した。
はじかれたように叫び声が出た。
金切り声だった。
耳をつんざくような私の叫び声に驚いた男が、私を強く突き飛ばした。
自分でも自分の声に驚いたほど悲鳴は周囲に轟いた。
路上に倒れ込んだ私は、あわてふためきながら逃げる男の後ろ姿を見た。
黒い帽子に黒づくめの服装。
顔は見ていない。
男が走り去る後ろ姿を呆然と見つめながら、私は路上に、へたり込んでいた。
膝が震えて立てない。
その時 私は周囲を見渡した。
人っ子一人 外に出てくる住人はいなかった。
明かるい窓際からも人影は見当たらない。
なんで?
あんなに甲高い悲鳴を上げたのに?
まさか誰も気づいていないとか?
しばらく放心状態だったが警察が来る気配もない。
なんてことだ…
新たなる恐怖を感じた。
誰も助けてはくれない。
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