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【お兄ちゃん】

[473]  椎名  2006-07-23投稿
何であなたはそんなにかっこいいの?

顔も、性格も、声も、些細な仕草までも、貴方の行動すべてが私を狂わせる。

もう、誰も私を止めることはできないだろう。





今日もまた朝がきた。

カーテンの隙間から漏れる太陽の光が、私の目を覚まさした。

いつでもどんな時でも、私の頭の中にはあの人がいる。



「・・お兄ちゃん」



声に出して兄を呼んでみる。
返事がするわけがない。

期待はしていなかった。
当然、返事がくる訳がなかった。

パジャマ姿のまま部屋を出る。
隣の兄の部屋の前で立ち止まる。



まだ寝てるのかな・・・



そんな事を考えながらも、階段を降りて1階に行った。

階段を降りると母がいた。


「あら奈緒?今日は早いね。休みなのに」
母はエプロン姿で私にそう言った。


「うん。何か起きちゃってね。・・お兄ちゃんは?」

普通ならこんな質問、何も気にせずできるのだけど、奈緒は少し躊躇ってしまう。


「人尋ならもう出かけたよ。」

母の返事にがっかりしたけれど、「そっか」と素っ気無く返事をしてリビングに行った。

リビングには誰もいなかった。
クーラーが効いていて、涼しかった。

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