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二人の長い夜?

[977]  森田  2006-07-24投稿
拓也『さてと、なんとかしなくっちゃな』


恐怖がピークを過ぎると逆に冷静になるのか。五月蠅いくらいに激しい鼓動も他人ごとのように感じる。


長所は短所。こういった輩には何かしらの弱点があるはずだ。


拓也『音だ。奴は移動するときに必ず音を発する。つまり音を頼りに動けば暗闇の中でも十分に戦える』


竜一『音を頼りにしても意味ねぇよ!戦えないだろが!』


言われてみればそうだ。漫画のキャラではあるまいし、こちらに戦闘力は無い。


舌打ちをして怪物を睨み付けた。


竜一『え?』


ごきゅり。


拓也『お…おい、竜一…?』


竜一の首がヤブァイ方向に曲がっている。竜一の眉間があるべき所に口がある。

ドシャ

竜一が倒れた。


よくみればあの怪物はいつの間にか俺の真後ろ、竜一のいた方向にいる。


拓也『お前の弱点がよぉ…今分かったんだ、今頃分かるなんて…』

何故こんな怪物が昼間に目撃されなかったんだ?

あいつは夜行性だが、光りに弱いってことだ。


ぞぶり。

肩に深々と何かが刺さった。

拓也『いてぇ…』

怪物のカマキリのような尖った腕が肩に刺さった。


血がドクドクと流れ出る。

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