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MLS-001 016

[694]  砂春陽 遥花  2009-08-02投稿
薄れゆく意識の中、
花鼓の思考は錯綜していた。

唯一の…何?
唯一の肉親。肉親?お母さんは?
お母さん?お母さんは誰?
垣口 来実子。来実子?来実子って誰?
私を愛してくれる人。
私?
私は誰?

花鼓の意識にかかる白い霧は
一層濃くなった。
その白濁した意識の上に
碁盤の目が
浮かび上がる。
目の上には
3つの点が光っている。
赤が1つ、白が2つ。

赤が私。
白が棒を持った男と真龍。
横に『011』と書いてある方が真龍。
書いてない方が男。
目の前にいる男。

花鼓は手を伸ばし、
白い点を少し上方へずらした。

全ては一瞬の出来事だった。

真龍は、
晴牧が花鼓の頭を打ちすえた
次の瞬間、
驚いて息を飲み
手にもっていた棒を
取り落とすのを見た。
晴牧の手を離れた金属の棒が
コンクリートの地面にあたり
甲高い音をたてた。

「魅咲、魅咲なのか?」

晴牧の腰は引け、
両手が微かに震えていた。

花鼓はゆっくりと立ち上がり
晴牧の方を見た。

血まみれの顔に
2つの目が
光っていた。

感想

  • 24869: 翔:ただ、ただ凄いです!! [2011-01-16]
  • 27227: ありがとうございます(礼)この辺りグロテスクな表現が続く [2011-01-16]
  • 27228: ため、書きながらビクビクしておりました(笑:遥花 [2011-01-16]

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