ポジティブ・アクション12
「止めて‥暴力はもう止めて!」
メアリーは必死に叫び、ゲイリーと顔を合わせながら後退りする。
「愛している女に裏切られるのがこんなに辛いとはな‥」
ゲイリーはメアリーを見つめながら、おもむろにテーブルの上に転がっている果物ナイフに手を伸ばす‥。
「は、はぁ‥」
それを見た時、彼女は足の震えが止まらなくなった。
メアリーは殺されまいと必死に震える足を動かす‥。
そして、彼女は勢い良く後ろへ振り返り、走った…!。
「待て!!」
メアリーは足を止める事なく、何度も後ろへ振り返りながら、玄関に向かって走る。
「ふぅ‥お前ら!! メアリーを捕まえろ!」
ゲイリーはそばにいる部下に物凄い剣幕で命令した。
「ハァ、ハァ」
メアリーは玄関の扉を開け放ち、物凄い速さで庭を走りつづけた。
その後ろから、三人のゲイリーの部下達が必死で追跡する。
「ちぃ、逃げ足の速い女だ!」
「ハァ、ハァ」
そしてついに入り口の門が見えた。
「ハァ、ハァ、やったぁ」
彼女はスピードを緩める事なく、門へと直行する。
そして都合の良い事に、その門は開いたままだった。
どうやら彼女が帰って来た時に、その門を開けっ放しにしていたのが幸いしたようだ。
彼女はそのまま門を通過し、車道へ飛び出した。
…しかし、それと同様に部下達も門を通過し、執拗にメアリーを追跡する‥。
彼女は悪魔の追跡から逃れようと、必死に走りつづけた。
「くそっ! 何て速さだ! こうなったら」
男はそう言うと立ち止まり、歩道に転がる適当な石を拾い上げた。
「ふふっ、俺に任せろ!」
そう言いながら腕を構え、メアリーに狙いを定める。
そして、男は思いっきりその石をメアリーに向かって投げた。
石は風を斬って、真っ直ぐにメアリーに向かって飛んでいく‥。
「キャアッ!!」
石はメアリーの首筋に命中し、彼女はその衝撃で道路に勢い良く倒れた。
「ふぅ‥面倒かけやがって。さぁ戻るぞ」
「銃弾じゃないだけマシだと思え」
男達は各々道路に伏せているメアリーに投げかけ、取り押さえる。
…しかしその時
「何だ!!」
突如と発生した車のライトが男達の目に直撃した…。
続く
感想
- 16481: どうなって行くのだろ…。ゆな [2011-01-16]