携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 【お兄ちゃん】 3

【お兄ちゃん】 3

[386]  椎名  2006-07-24投稿
朝ご飯を食べ終わった頃にはもう9時近くになっていた。


「奈緒、今日何か用事ないの?」
母が奈緒に聞いた。


「ないよ」
奈緒は携帯をいじりながらそう答えた。


お兄ちゃんは何か用事あるのかな?


奈緒はそんな事ばかり考えていた。


「人尋は?」


奈緒が小さく反応した。
まるで早く兄の返事を聞きたいかのように。


「俺もなんもねぇよ」

母は、そう、と言って洗濯をするためにリビングを出て行った。




「お兄ちゃん、今日ほんとにどこにも行かないの?」

奈緒が確認するかのように聞いた。

「さっき言ったじゃん」


「そっかぁ〜」
奈緒はニコニコしながら言った。

そんな奈緒を不思議そうに見る人尋。



「お兄ちゃん」

「何だよ」

「ほんとに今日、どこにも行かない?」

兄は何度も質問してくる奈緒に冷たい目をした。



「んな訳ねぇじゃん」

人尋はさっきと逆の答えを返した。


奈緒は「え・・」と言って悲しげな顔をした。

「ほんとはどっか行くの?ほんとにほんと?」
必死になって聞いた。


「嘘だわ」

「え?」

「だから嘘だって」


奈緒は恥ずかしがりながら聞いた質問に兄が嘘をついた事に、腹立たしくなった。


「何で嘘つくの・・お兄ちゃんの馬鹿!」

いきなりの奈緒の態度に人尋は瞬きを繰り返し、
立ち上がった。


奈緒は自分の発言に兄が怒ったと思い、下を向いた。
自分の膝を見つめる。



ぶたれる・・かも。



そんな不安を抱いて、ずっと硬直していた。

手に汗をかいているのが分かる。



兄の手があがった。

感想

  • 2902: 続きは [2011-01-16]

「 椎名 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス