君からの手紙〜53〜
「店長、お世話になりました」
この店での業務を終え、勇一は店長に挨拶に来た。
「ああ、お疲れ様。お前人気あるんだなあ。アルバイトからだいぶ、花もらったみたいだし」
「ありがたいことですよ。こんな半分おじさんに」
「いや、誰にでも優しい君の人柄だと思うよ」
「ありがとうございます」
「そうだ、またいつか同じ店になるなもしれないが、君に言っておくことがあるんだ」
「なんですか?」
「俺なあ、この会社に入って、22年になるけど、15年前1度病気で入院したことがあってな…半年くらい実家の北海道に帰ってたんだ」
「え?店長、北海道出身なんですか?」
「そこで、今のかみさんとも出会ったんだが、病院の屋上でな…ある兄妹に出会ったんだ…」
「はあ…」
「盗み聞きするつもりはなかったが、話し声が聞こえてな…」
勇一には、店長が何か重大な話しをしようとしていることは、わかった。
「俺がこれから言うこと、君には辛いことかもしれない…でも言わなきゃならない…聞いてもらえるか?」
店長の表情に、ただならぬ雰囲気を感じた勇一だが、聞くことにした。
「はい。何でも言ってください」
「そうか…ありがとうな。実はな、その兄妹がな…」
店長によると、その兄妹の会話はこうだった。
(妹)「お兄ちゃん…」
(兄)「ん?どうした?」
(妹)「私…多分あと何日持つかわからない…ごめんね。私のために…」
(兄)「もう言うな由美。残された時間は、いられるだけそばにいるよ」
(妹)「ありがとう…15年後、勇一が幸せになっていることを願ってる。その時に、ごめんねって意味も込めてるから、この手紙頼んだよ…」
「ああ、わかったよ。15年後、荒木さんに渡すよ」
…店長の話しに勇一は驚かされた。
「会ってたんですか?由美や嶋野さんに」
「そうだ…心動かされてな。協力を申し出たんだよ。ただ…一つお願いをされたんだ…」
「君が、もし15年の間に見つかっとしても、『時がくるまで、黙っていてくれと…』。まさか、同じ会社に君が入り、私の部下になるなんて…運命のいたずらだな…すまなかったな…ずっと隠していて…」
「いえ…辛い思いをさせてすみません店長」
「俺のことはいいよ。あと一つあるんだが…」
「え?」
この店での業務を終え、勇一は店長に挨拶に来た。
「ああ、お疲れ様。お前人気あるんだなあ。アルバイトからだいぶ、花もらったみたいだし」
「ありがたいことですよ。こんな半分おじさんに」
「いや、誰にでも優しい君の人柄だと思うよ」
「ありがとうございます」
「そうだ、またいつか同じ店になるなもしれないが、君に言っておくことがあるんだ」
「なんですか?」
「俺なあ、この会社に入って、22年になるけど、15年前1度病気で入院したことがあってな…半年くらい実家の北海道に帰ってたんだ」
「え?店長、北海道出身なんですか?」
「そこで、今のかみさんとも出会ったんだが、病院の屋上でな…ある兄妹に出会ったんだ…」
「はあ…」
「盗み聞きするつもりはなかったが、話し声が聞こえてな…」
勇一には、店長が何か重大な話しをしようとしていることは、わかった。
「俺がこれから言うこと、君には辛いことかもしれない…でも言わなきゃならない…聞いてもらえるか?」
店長の表情に、ただならぬ雰囲気を感じた勇一だが、聞くことにした。
「はい。何でも言ってください」
「そうか…ありがとうな。実はな、その兄妹がな…」
店長によると、その兄妹の会話はこうだった。
(妹)「お兄ちゃん…」
(兄)「ん?どうした?」
(妹)「私…多分あと何日持つかわからない…ごめんね。私のために…」
(兄)「もう言うな由美。残された時間は、いられるだけそばにいるよ」
(妹)「ありがとう…15年後、勇一が幸せになっていることを願ってる。その時に、ごめんねって意味も込めてるから、この手紙頼んだよ…」
「ああ、わかったよ。15年後、荒木さんに渡すよ」
…店長の話しに勇一は驚かされた。
「会ってたんですか?由美や嶋野さんに」
「そうだ…心動かされてな。協力を申し出たんだよ。ただ…一つお願いをされたんだ…」
「君が、もし15年の間に見つかっとしても、『時がくるまで、黙っていてくれと…』。まさか、同じ会社に君が入り、私の部下になるなんて…運命のいたずらだな…すまなかったな…ずっと隠していて…」
「いえ…辛い思いをさせてすみません店長」
「俺のことはいいよ。あと一つあるんだが…」
「え?」
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