声なき歌 ?
最後のライブという噂がいつの間にか広まっていて、ライブ当日は会場満員どころかあふれかえっていた。
ライブの前に私は輝の代弁で輝が書いた思いを観客に伝えた。
突然声を失った時の悲しみや消失感、なぜ自分なのかという不条理への怒り、脱力感。
そして、バンド仲間の支えへの喜びと感謝、観客への謝罪と来てくれた事への感謝。
話の間、会場の誰1人話す者はいなかった。ライブでこんなに静かになったのは初めてだ。
・・・今、会場の全員が同じ思いを共有している―今日のこのライブを最高のものにして、心に刻み付けよう―と。
話が終わり、曲の前奏が始まる。最初は私達のデビュー曲で思い出深い曲だ。
輝が歌い始める。
「―――。」
声はない。
しかし、会場中に歌が響いているかのようだった。その時確かに会場全員が輝の歌を聞いた・・・。
「(・・・輝っ。すごい。本当にすごい!!声が出なくったって輝の歌はなくならないよ。ほら、皆にも聞こえてる、声なき歌が・・・。)」
完
ライブの前に私は輝の代弁で輝が書いた思いを観客に伝えた。
突然声を失った時の悲しみや消失感、なぜ自分なのかという不条理への怒り、脱力感。
そして、バンド仲間の支えへの喜びと感謝、観客への謝罪と来てくれた事への感謝。
話の間、会場の誰1人話す者はいなかった。ライブでこんなに静かになったのは初めてだ。
・・・今、会場の全員が同じ思いを共有している―今日のこのライブを最高のものにして、心に刻み付けよう―と。
話が終わり、曲の前奏が始まる。最初は私達のデビュー曲で思い出深い曲だ。
輝が歌い始める。
「―――。」
声はない。
しかし、会場中に歌が響いているかのようだった。その時確かに会場全員が輝の歌を聞いた・・・。
「(・・・輝っ。すごい。本当にすごい!!声が出なくったって輝の歌はなくならないよ。ほら、皆にも聞こえてる、声なき歌が・・・。)」
完
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