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ポジティブ・アクション22

[536]  ミッシェル  2009-08-07投稿

スティーブは拳銃を構えながら、玄関へと歩いていく。

その後ろから、メアリーも続いた。

――その時。

「ふふっ、随分遅いと思ったら、やはりこの様か‥使えねェ野郎共だ」

一人の長身の男が、廊下から2人の前へと姿を現した。

その手にはやはり拳銃が握られており、銃口を2人に向けている。

「あなたは‥ウォーレン!」

メアリーが、スティーブの背後から言った。

「ウォーレン? ああ、知ってるぜ。
ルブランスのNo.2か。全く、厄介な野郎が出てきたもんだ」

2人はウォーレンを見据える。

「俺もお前を知ってるぜ」

スティーブは鼻で笑うと。

「ほぉ、俺も少しは有名になったか」

笑うスティーブに、ウォーレンは続けた。

「伝説のバウンティハンター、“デイビット・ロジャース”の息子だろ?」

それを聞いたスティーブから、笑顔が消える。

「そうだ。だからどうしたんだ?」

「そんな偉大な父の息子が、ボスの女を寝取るとは…親父が知ったら泣くぜ」

スティーブは溜め息をつき、鋭い眼光をウォーレンに飛ばす。

「寝取っただと? ざけんな!
お前…知らねぇだろ。メアリーがどんなに辛い思いをしていたか」

「へっ。知らねェな。それよりメアリー、今ならまだ間に合うぜ。早くゲイリーの所へ戻れ!」

しかし、メアリーは顔をしかめながら

「いやよ! ゲイリーとはもう終わったの! 私は彼と居るわ!」

そう言って、スティーブの腕を握った。
「くぅ…お前、ゲイリーの恩を忘れたのか‥。馬鹿な女だぜ。ゲイリーと暮らしてた方がこの先ずっと幸せで、裕福に暮らしていけるのに、そんな何の力も無い男と居たって先が見えてるぜ」

それを聞き、メアリーの怒りは頂点に達する。

「ふざけないでよ! 私は裕福だとかそんなのどうでもいいの! 私は、私は自由が欲しいのよ!あんな残酷で‥凶悪な男と一緒にいるなんてもう嫌なの」

ウォーレンはあきれかえりながら

「ふぅ‥もう無駄だな。お前らは完全にゲイリーを敵に回した」

ウォーレンはそう言って、引き金に指をかけた。

――その時。

一人の若い男が、ウォーレンの背後から現れた。


続く

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