ポジティブ・アクション23
「よぉスティーブ。借りてたCD返しに来たぜ」
そう言って現れたのは、スティーブの親友アレックスであった。
「誰だ貴様」
振り返るウォーレンを見て、アレックスはすかさず懐から二丁の拳銃を取り出す。
「あんたこそ誰だよ。まあ、何だかしらねェが親友の敵は俺の敵だ。覚悟しろよ」
アレックスは二丁の拳銃を構えながら歩を進める。
「来たかアレックス。ウォーレン、諦めろ。銃を捨てるんだ」
「くぅ…」
アレックスとスティーブに挟み撃ちされているウォーレンは、渋々拳銃を床に置いた。
するとスティーブは拳を構え、ウォーレンの顔面に拳を一撃。
ウォーレンを殴り倒した。
「ぐぅ…」
ウォーレンは口から血を流し、床にうずくまる。
「はぁ…逃げられると思うなよ‥ゲイリーは必ずお前らをころっ…!?」
次の瞬間にはスティーブの蹴りが顔面に直撃し、ウォーレンは気絶した。
「やかましい野郎だ」
スティーブは気絶してるウォーレンに向かってそう言った。
するとアレックスが、次々と浮かんでくる疑問を2人にぶつける。
「どうなってんだ? 何でギャングがお前らを殺そうとしたんだ?」
スティーブは笑みを浮かべ。
「ふっどうやらルブランスのボスを怒らせたらしい。だから俺達はもう、この街には居られない」
アレックスは目を丸くさせる。
「何でだよ?」
スティーブは溜め息をつき、アレックスの肩に手を置いた。
「奴らから命を狙われてるんだよ」
「なんでまた」
その質問に、スティーブは少々戸惑いを見せた。
「何でってその‥つまり彼女と‥」
そこで、メアリーがスティーブの手を握りながら口を開いた。
「私がスティーブの事を好きになったからよ。私は元々ボスの愛人なの」
それを聞いて、アレックスはとても納得の行った表情を浮かべた。
「ほぉ、こいつぁ驚いたぜ。でも何時の間に…。まあそんな事はどうでもいい。とにかく、これからどうするんだ?」
「別の街に行く。この街に留まっていれば確実に殺されるからな」
スティーブはそう言って、煙草に火を付けた。
‥その時。
突如と電話が鳴り響いた。
続く
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