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ポジティブ・アクション27

[667]  ミッシェル  2009-08-09投稿

「何故ここにいる‥」

長髪の男はそう言って、ウォーレンに詰め寄った。

その男の背後に並ぶ者達は、皆微動だにせず、ただ立ち尽くしたままウォーレンを見つめている。

男達の鋭い視線を感じながら、ウォーレンは答えた。

「あ、あんた等こそ何しに来た」

その言葉に、男は顔をしかめる。

「‥スティーブン・ロジャースを探しに来た。奴はどこだ? お前何か知っているんだろ」

「知らねぇ‥。だが、これだけは言える。奴は今、俺達ルブランスから逃げている‥」

男は怪訝な顔をしながら更に尋ねた。

「何? 何故お前らのような烏合の衆が奴を追っているんだ」

ウォーレンは、男の言った“烏合の衆”という言葉が気に食わなかったのか、思わず声を荒げた。

「てめぇ‥俺達を侮辱するのか!!」

そう言って、男を睨み付けた時には既に彼の拳は男の顔面に向かっていた。

だが男は身じろぎもせず、左の掌でウォーレンの拳を受け止める。

次の瞬間には男の蹴りがウォーレンの脇腹に直撃し、彼はそのまま床に倒れた。
「うぅ‥」

男は悠々と、うずくまるウォーレンを見下ろす。

「血の気の多い野郎だ。スティーブ‥スティーブはどこに行った!!」

ウォーレンの顔面を蹴り、男は物凄い剣幕で怒鳴りつけた。

「うぅ‥し、知らねぇ‥ホントに‥知らねぇ‥」

口から血を流しながらも、ウォーレンは必死に訴えた。

「こいつ…」

男は小さく呟くと、もう一発ウォーレンの顔面に蹴りを喰らわし、彼に背を向け歩き出した。

「もう良いんですか?」

後ろに並んでいた男達の一人が、彼に言った。

「ああ。あいつは何も知らん。俺には分かる…。行くぞ」

彼がそう言って玄関の方へ歩いていくと、その後ろから男達も続いて歩き出した。

やがて彼等の姿は消え、ウォーレンは安心したのか床に仰向けで転がり、天井を見つめた。

――その時だった。

「うぅ‥ウォー‥レン‥」

彼を呼ぶ、かすれた声が聞こえた。

ウォーレンは起き上がり、その声の方に向かうと、そこには2人のギャングが目を開けた状態で倒れていた。

――何と彼等は生きていた。

「お前ら‥流石だな。大丈夫だ、直ぐに助けてやる」

彼は2人の体を支え、歩き出した。

続く

感想

  • 17168: 凄く面白いです!続きが気になりますー!!感激です!!明 [2011-01-16]
  • 17187: ありがと?ミシェル [2011-01-16]

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