ハーフムーン (62)【最終回】
ミユキは、そっと障子を閉めると、ようやくトイレへと向かった。
ショウにも、そしてマモルにも、こちらから話し掛けることはしなかった。
『ハーフムーン』の打ち上げは、まだ続いていた。
中では、亀山がこう喋っていた。
「いや〜それにしても、今回の映画は低予算でしたね〜。出演者は皆、何役もこなすし、抽選会の景品は出演者の私物だし、ミステリーツアーの場所は近くの無人島だし、飛行機はセスナ機だし」
「セスナは操縦してないでしょ…座ってただけでしょ」
酔っ払った明日香が、不意に亀山にツッコミを入れた。
「えぇ、ミユキさんが眠るまで待って、それからボートに乗り換えて、あとはエッチラホッチラと無人島まで漕いで…ほ、ほっといて下さいっ!」
亀山がそう言うと、会場内に笑いが起こった。
その頃、ミユキがサチ子のところに戻って来た。
「ごめんね〜サチ子。遅くなって」
そう言ってミユキは障子を慌ただしく閉めると、再び座り、サチ子の顔を見つめた。
サチ子は静かにニコニコと微笑んでいる。そして、ミユキに向かってこう言った。
「どう?スッキリした?」
「…ウン!」
ミユキも、明るく笑って答えた。
――ハーフムーン・完――
ショウにも、そしてマモルにも、こちらから話し掛けることはしなかった。
『ハーフムーン』の打ち上げは、まだ続いていた。
中では、亀山がこう喋っていた。
「いや〜それにしても、今回の映画は低予算でしたね〜。出演者は皆、何役もこなすし、抽選会の景品は出演者の私物だし、ミステリーツアーの場所は近くの無人島だし、飛行機はセスナ機だし」
「セスナは操縦してないでしょ…座ってただけでしょ」
酔っ払った明日香が、不意に亀山にツッコミを入れた。
「えぇ、ミユキさんが眠るまで待って、それからボートに乗り換えて、あとはエッチラホッチラと無人島まで漕いで…ほ、ほっといて下さいっ!」
亀山がそう言うと、会場内に笑いが起こった。
その頃、ミユキがサチ子のところに戻って来た。
「ごめんね〜サチ子。遅くなって」
そう言ってミユキは障子を慌ただしく閉めると、再び座り、サチ子の顔を見つめた。
サチ子は静かにニコニコと微笑んでいる。そして、ミユキに向かってこう言った。
「どう?スッキリした?」
「…ウン!」
ミユキも、明るく笑って答えた。
――ハーフムーン・完――
感想
- 17685: 翔:すっきり読み終わっていただき、ありがとうございました。 [2011-01-16]
- 17723: 翔さんお疲れ様でした☆もう一度じっくり読み… [2011-01-16]
- 17724: この名作の感想作品を投稿させて頂きます☆シャイン [2011-01-16]
- 17729: 翔:シャインさん、ありがとうございます。 [2011-01-16]
- 17731: 翔:ただの練習のつもりで書いてたので…名作なんて畏れ多いです [2011-01-16]
- 17756: 面白かったです!全くの予想外の結末に度肝を抜かれました! [2011-01-16]
- 17757: ミッシェル [2011-01-16]
- 17760: 練習とは思えないぐらい素敵な作品でした!凄いです!明 [2011-01-16]
- 17830: 翔:ミッシェル、そして明さん、どうもありがとうございます! [2011-01-16]
- 21185: 揚羽:後れ馳せながらお疲れさん?最近多忙で結末が [2011-01-16]
- 21186: 気になりながらも、読む暇がなく(汗)たった今読みました。 [2011-01-16]
- 21187: この結末は予想できなかった?これは名作です! [2011-01-16]
- 21231: 翔:揚羽さん、忙しいのに読んでいただき有り難うございます! [2011-01-16]
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