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廃墟 前編

[697]  名無し  2009-08-14投稿
俺達は夏休みに、廃墟になったホテルへ、肝試しに行く事にした。
メンバー
吉田 晃
堺 健二
佐藤 裕也
山里 信司

皆男だ。
何故この廃墟なのか。
この廃墟には、いろんな噂がある。
霊がカーテンを開け、こっちを睨みつけている。
その廃墟の近くを通る赤い車には、必ず長髪の女が声をかけられる。車に乗せたら、あるホテルへ行くように言わる。だがそこは廃墟。着くとすでに消えていて、残っているのは、真っ赤な血と長い髪。
その廃墟へ行ったある人は、そこを出る事が出来なくなり、最後には狂い死んだ。
そんな廃墟だ。そんな所に行くんだ俺達は。

吉田「これがそーか。不気味だな」
堺「あぁ不気味だなぁ」
山里「ごちゃごちゃ言ってないでさっさと行くぞ」
行こうとしたその時。
佐藤「うわっ・・・今カーテンから顔が」
吉田「マジかよ」
ガタン バタ パリン
山里「何だよ今の音」
廃墟のなかから音がした。まるで俺達に「来るな」と言っているようだ。
吉田「行くか」
そして俺達は、廃墟へ入った。
「う゛ーー」
山里「おい聞いたか?男のうめき声だったぞ」
吉田「あぁ聞いた。ここ、マジでいるぞ」
俺達は進んだ。奥へ奥へと。だんだんこの世じゃないどこかへ、人が踏みいってはいけない空間に入った気がした。
堺「階段があるよ。上がってみよ」
皆で2階へ行った。
佐藤「おい、真っ暗で何も見えねーよ」
吉田「俺ライター持ってるぜ」
そう言ってライターをつけた。
堺「皆いるよな。1234・・・5?」
吉田「何言ってんだよ。5人もいるわけねーじゃん。俺達は4人なの。1234・・・5人?え?」
堺「お前の後ろに一人いるじゃん」
吉田「いやお前の後ろだろ」
佐藤「ちょっとまてよ。吉田の後ろにも堺の後ろにもいるとしたら・・・いや、俺達の後ろにもいるんじゃないか霊が」
山里「佐藤の後ろにはいるよ」
佐藤「お前の後ろにも・・・一斉に見てみるか。せーの」
吉田「誰もいねー」
安心した俺達は、また進みはじめた。すると、ある部屋に着いた。
堺「なんだこの部屋?やけにキレイじゃねーか」
山里「この部屋かもな。この廃墟から出れなくなった奴が住み着いてた部屋って」
キーー
どこかの部屋の扉があいた音がした。
吉田「キーーって音したよな。でも、ここ以外の部屋は全部閉まってて開かなかったはず」
トコ トコ トコ トコ
トコ トコ トコ

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