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色あせない桜?

[382]  陣内  2006-07-26投稿
目の前に横断歩道があった。信号はまだ青だったので急いで横断歩道を渡ろうとした。

その時『楓、危ない!』俊介の叫び声が聞こえた。

振り返ろうとした時、気づいてしまった…車が猛スピードで近づいてきているのを。

気づいたとたんに足が動かなくなってしまった。動かそうにも動かせない。私の顔が恐怖一色で染まったその時…

何かに押された気がした…


目を開けると真っ白な天井が見えた。周りを見渡すとすぐに場所がわかった。病院だった。

『大丈夫なの?』お母さんが心配そうな顔で言った。

『お母さん…何があったの?』

『それはね…』そう言うとお母さんは黙ってしまった。

『ねぇ、何があったの?教えてよ。俊介は?俊介はどこにいるの?』

ベッドから降りようとした時、頭に痛みが走った。

『まだ無理しちゃダメよ』お母さんが言った。

『だったら早く教えてよ!』私は怒鳴った。

お母さんは戸惑っていたが、ようやく口を開いた。

『実はね…

それは後になると必ず知ることだった…。少し悪い予感はしていた。だけど…やっぱり今、聞かない方がよかったような気がした……

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