desteny??
「あっちゃん、一瞬、誰だか分かんなかったよ・・・。」
淳が、また一年前より、更に垢抜けていたのに、驚いていた。
ショップオーナーの風格だろうか。
「ほんとに、久し振りだよなぁ〜。俺、変わった?言い過ぎだろ?一年位でそんな変わんないって。」
「変わったって。何か貫禄みたいなのを感じるよ。」
「そうか?」
淳は、照れ笑いを浮かべて、隣の椅子の背もたれを叩いて、私に、座る様にジェスチャーで伝えた。
「今日はなぁ・・・。これ!」
淳は、カウンター越しのバーテンの男性に目配せをすると、ワインクーラーを手渡した。
「・・・、えっ?シャンパン?」
ワインクーラーに刺さっていたのは、シャンパンの瓶だった。バーテンの男性は、シャンパングラスを素早くカウンターに二つ並べた。
「おめでとうございます!!」
バーテンの男性が笑顔で言った。
「今日は、何かお祝いする様な事有ったっけ?」
私には、何も思い付かなかった。
「香里の就職祝いだろ?まぁ・・・、一年も経っちゃったけど。俺、あの日、お前との約束破った事、マジで悪いって、ずっと思っててさ。メールもなかなか返って来ねぇし、電話も取ってくんねぇし、絶対怒ってるなぁって。」
「あっちゃん・・・。覚えてたの?就職のお祝いしてくれるって言ってたの・・・。」
「俺が言い出したんだもん、忘れる訳ねぇじゃねぇかよ・・・。」
「でも、これ・・・、高いんでしょ?」
私は、涙が吹き出す位、嬉しかった。さっきまでの事が、嘘みたいに、頭から、消えて行った。
「普通に店で頼んだら、結構するだろうけど、ここによく来てるから、マスターに頼んで、持ち込みOKにして貰ったの。だから、大した事ねぇよ。」
そう言って、淳は、私のグラスに、シャンパンを注いだ。
「まぁ、まず乾杯すっか。」
「うん・・・。」
それから―\r
淳は、私に色々な話をした。高校生の時の話、淳が、バイトをしていた頃の話。春にオープンさせたばかりの自分の店の話。
自分には、何も取り立てて話せる話題が無い私は、殆んど黙って淳の話を聞いていた。夢が有る話ばかりで、羨ましいとさえ思っていた。
私は―\r
今までの数年間、何の為に毎日、過ごして来たのだろう―\r
淳がとても眩しく感じられた。
不意に、腕時計を見ると、店に来て、二時間半程が経ち、時間は、午後十一時になろうとしていた。
「そろそろ、店出るか?」
「うん、そうだね・・・。そろそろ、電車無くなっちゃうし。」
「今日は・・・、帰るな。」
淳は、私が今まで見た事の無い位、真剣な顔で呟いた。
淳が、また一年前より、更に垢抜けていたのに、驚いていた。
ショップオーナーの風格だろうか。
「ほんとに、久し振りだよなぁ〜。俺、変わった?言い過ぎだろ?一年位でそんな変わんないって。」
「変わったって。何か貫禄みたいなのを感じるよ。」
「そうか?」
淳は、照れ笑いを浮かべて、隣の椅子の背もたれを叩いて、私に、座る様にジェスチャーで伝えた。
「今日はなぁ・・・。これ!」
淳は、カウンター越しのバーテンの男性に目配せをすると、ワインクーラーを手渡した。
「・・・、えっ?シャンパン?」
ワインクーラーに刺さっていたのは、シャンパンの瓶だった。バーテンの男性は、シャンパングラスを素早くカウンターに二つ並べた。
「おめでとうございます!!」
バーテンの男性が笑顔で言った。
「今日は、何かお祝いする様な事有ったっけ?」
私には、何も思い付かなかった。
「香里の就職祝いだろ?まぁ・・・、一年も経っちゃったけど。俺、あの日、お前との約束破った事、マジで悪いって、ずっと思っててさ。メールもなかなか返って来ねぇし、電話も取ってくんねぇし、絶対怒ってるなぁって。」
「あっちゃん・・・。覚えてたの?就職のお祝いしてくれるって言ってたの・・・。」
「俺が言い出したんだもん、忘れる訳ねぇじゃねぇかよ・・・。」
「でも、これ・・・、高いんでしょ?」
私は、涙が吹き出す位、嬉しかった。さっきまでの事が、嘘みたいに、頭から、消えて行った。
「普通に店で頼んだら、結構するだろうけど、ここによく来てるから、マスターに頼んで、持ち込みOKにして貰ったの。だから、大した事ねぇよ。」
そう言って、淳は、私のグラスに、シャンパンを注いだ。
「まぁ、まず乾杯すっか。」
「うん・・・。」
それから―\r
淳は、私に色々な話をした。高校生の時の話、淳が、バイトをしていた頃の話。春にオープンさせたばかりの自分の店の話。
自分には、何も取り立てて話せる話題が無い私は、殆んど黙って淳の話を聞いていた。夢が有る話ばかりで、羨ましいとさえ思っていた。
私は―\r
今までの数年間、何の為に毎日、過ごして来たのだろう―\r
淳がとても眩しく感じられた。
不意に、腕時計を見ると、店に来て、二時間半程が経ち、時間は、午後十一時になろうとしていた。
「そろそろ、店出るか?」
「うん、そうだね・・・。そろそろ、電車無くなっちゃうし。」
「今日は・・・、帰るな。」
淳は、私が今まで見た事の無い位、真剣な顔で呟いた。
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