奈央と出会えたから。<391>
中へ入ると、すぐにスタジオにたどり着くコトが出来た。
ガラス越しに見えるスタジオの中には、色々な機材が置いてあって、
その、機材に囲まれた空間の中に、
ディスクジョッキーだと思われる女の人が、マイクに向かっていた。
もしかして、
このヒトがアヤカさん?!
『奈央。もうそろそろ“青春アミーゴ”のコーナーも、終わりそうだゼ。』
聖人が、そう言うと同時に、中のディスクジョッキーの女の人が、あたし達の存在に気付いてくれた。
『やっと生放送が終わったぁ〜♪
聖人いらっしゃい!!
そっちのコは彼女?!』
スタジオから出て来るなり、聖人にそう言った彼女に、
あたしは、とりあえず会釈をした。
キレイなヒトだと思った。
しかも、“聖人”って呼び捨てにされてるし。
『アヤカさん、コイツが俺の彼女の奈央です。』
聖人が、あたしを紹介してくれたから、
あたしは緊張気味に挨拶をした。
『木下 奈央です。
初めまして。』
初対面のヒトに挨拶するのって、緊張するよぉ。
ふぅ〜〜〜っっ。
スマイルスマイル‥‥‥‥‥。
『奈央ちゃん♪
初めまして♪
あたし、ここのディスクジョッキーしてます、アヤカです!!
よろしくね♪』
やっぱり、このヒトがアヤカさんだったんだ!!
思っきり、笑顔で挨拶されたケド、
このヒト、どうして聖人と知り合いなんだろう。
『アヤカさん。
もう京谷サンは来てるんスか?!』
聖人がアヤカさんに尋ねる。
『ううん。龍二は、少し遅れるって。
何でも、どうしても連れて来たいヤツがいるらしいわよ♪
今、ゲストの控え室で、例のオッサンをミズホに見張らせてるよ。』
アヤカさんの話し方や言葉遣いが、
生放送中と全然違っていたのと、
声の印象から想像していた、上品なイメージと、大きくかけ離れていたのとで、
あたしの頭の中で独り歩きしていた、アヤカさんのイメージは、
一気に崩壊してしまった。
ケドそれは、
今の、2人の会話の中から仕入れた数少ない情報のみから、
現在置かれている状況を把握しなければならないコトと比べたら、
全然どうでもいいコトだった。
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