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DRAGON LOVER 8

[381]  木村蜜実  2009-08-21投稿
「ちょい待て!落ち着け!人間相手に魔力使ってどうする?!」

僕は必死にエリンの肩を抑える。

「どうって…。消すに決まってんじゃん…。」

(勘弁してくれ〜〜)

エリンの魔力MAX…。

いくら、地獄の番犬ケルベロスの僕でも、龍には勝てない…。

一か八か………。

僕はエリンにキスをして抱きしめた。

「落ち着け…よく考えろ…。今奈々ちゃんを消したら、ライアンが怒るだろ…。ライアンの問題だし…。ここは抑えろ。」

エリンの瞳から龍の目が消える…。
そして顔を真っ赤にした。

「やだぁ〜ハーンってばっ♪」
バチーン…………。

エリンの魔力MAXビンタ…。

本人は手加減したつもりだろうが…僕は飛ばされる…。

「ちょっ…ハーン!大丈夫??」

(大丈夫な訳ねぇだろ…)
と思いながらも…。

「大丈夫…。ほら♪」
と立ち上がってみせる。

「さすがケルベちゃん♪」
(…ケルベちゃんって…)

エリンは微笑んで僕の手を握る…。

ライアンと奈々ちゃんの事は、一様納得したエリン。

「でも、次見たら消すからね!」
の一点張り。

次見たら…エリンとバトルかも…。
と憂鬱になる。

夕日が沈む頃、僕達はまた手を繋ぎながら帰る。

龍族の反乱…。
エリンに聞いたらマズイかな…。

「あのさ…。ちょっと聞いてもいいか?」

「何なに?」

ニコニコしてるエリン…。聞きづらいが…。

「龍族って、反乱起こしたよな…。なんか理由あんのか…?」

ピタっと立ち止まり、エリンは悲しい顔をする。

「話したくなかったらいいんだ。気にするな…。」

「知りたいの?」

エリンの瞳から涙がこぼれる…。

「泣くな…。いいんだ。気にするな…。」

「でも、知りたいでしょ?」

真っ直ぐな瞳…。

僕はエリンを抱き寄せ

「辛いだろ…悪かった。」
そう言って、髪をなでる。

「いずれ話さないとって思っていたからいいの…。聞いてくれる?」

真面目な顔…。

僕は思わずうなずいた…。

「ハーンは、ペンドラゴンって知ってる?」

「ぺン…ドラゴン…?」

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