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君がいる〜約束〜

[286]  ふく  2009-08-22投稿
君と沢山の約束をしたね
僕はただ
君と色んなことがしたくて
色んな景色を二人で見たくて
想像してみるだけで楽しかったんだ
それだけで良かった

でも君は違っていたね
増え続ける約束に
『どれだけ叶うんだろう』とおどけて笑って見せたけど
きっと君は知っていた
その約束の半分も叶えられないと

唯一君が強く願ったことがあった
『一緒に初雪を見たい』
何度も言った
その時はあまりにも先のことで僕は笑った
『今年は一緒に見よう』

深くは考えなかったし
叶うものだと思っていた

以前君が話してくれた
一月生まれの君は
雪の降る日に生まれた
だから雪が好きなんだと君は言った
何でもないその真実が僕には神秘的に思えた
『だからそんなに色が白いんだね』と僕が言うと
『そう』と頷いて照れたように笑った

初雪の日
僕等は別々の場所で何を思うだろう
例えば君が隣にいて
雪が君の白い肌に溶けて
君が景色の一部になって
それはとても綺麗なんだろう
君は叶えられた約束を素直に喜んでくれただろう
『ありがとう』と言って切なくなる程の笑顔を見せてくれただろう
そして僕も素直に君を抱き締めただろう

どんな季節も君と見てみたかった
君と感じたかった
当たり前のように『暑いね』とか『寒いね』とか
君と交わす言葉が僕にとっては幸せだった

来なければいい
約束を守れなかった冬なんて
寂しくてたまらなくなるに決まっている
君との別れを受け入れられないでいる僕に
本当の別れを感じさせる
君と会えない現実が降り注ぐ

僕だって弱い
嘘つきでしかなかった僕に
『嘘つき』といつか君が笑って言ってくれたら

感想

  • 18772: 凄く切なくて良い詩ですね…。明 [2011-01-16]

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