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復讐のジャケット?

[492]  ミッシェル  2009-08-22投稿

俺は驚いた。

…生きてる。

俺は死んだ筈だ。

奴に復讐する事も出来ずに…。

だが、俺は生前の状態そのままでここに立っている。

唯一可笑しな所と言えば、この豊富に蓄えた無精髭。

そして長く伸びたボサボサの髪や、このボロボロの服。

以前の俺は勿論、こうじゃなかった。

やはり可笑しい。

一体俺はどうしたんだ…。

取りあえず俺は辺りを見回した。

目の前には汚れた壁。

荒れ果てたゴミステーションに、無造作に置かれたポリバケツ。

そして、傍らに転がる謎の男の死体…。

「これは…」

俺はそう呟き、その死体の顔を覗き込んだ。

「!?」

俺は思わず驚愕した。

その死体の顔はまさしく、

…俺だった。

俺は驚きを隠せなかった。

何故俺がここに倒れているんだ…。

全く理解が出来ない。

その死体の服装も、俺が死ぬ前の服装とジャケットを除けば全く同じだ。

なのに今の俺は、こんなボロボロの服装になっている。

唯一、俺のお気に入りの革ジャケットだけが、元の間々俺を包んでいた。

「まさか…」

俺は居ても立ってもいられず、路地裏から飛び出した。

歩道をひたすら走ると、俺は近くのスーパーへと飛び込んだ。

そしてトイレに入り、鏡の前に立つ…。

「嘘だろ…」

俺は我が目を疑った。

そこに映ったのは、全く違う自分だった。

「…体が入れ替わったとでも言うのか?」

俺は呟くと、鏡に映る自分じゃないその顔に見覚えがある事に気が付いた。

それは俺が死ぬ直前に、俺の顔を見ながらひたすら俺に声をかけていた男の顔だった。

…おれは確信する。

「なるほど…」

何故かは分からないが、どうやら俺はその男の体に乗り移ったらしい。

俺は鏡に映る男に向かって言う。

「悪いがお前の体、俺の復讐の為に使わせて貰うぞ…」

新たな肉体を手に入れた俺がやることは1つ。

…奴を潰す事だ。

「神よ、感謝するよ」

俺はそう呟き、トイレから出た。

感想

  • 18812: 翔:読み応えがありますねー!!さすがミッシェル [2011-01-16]
  • 18822: すごい展開になってきた……:ゅゅ [2011-01-16]
  • 18833: ミッシェル:どうもありがとう? [2011-01-16]

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