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タイムカプセル

[532]  阿部和義  2009-08-23投稿
 庭で穴を掘っていると、地面の中に何かが埋められているのを見つけた。

 それはボロボロに錆びたクッキーの缶だった。中には人形や、おもちゃの宝石や、日記帳や、カセットテープが入っていた。日記帳には少しだけ面影のある筆跡で、どこにでもいる少女のどこにでもあるような日常が綴られていた。

 カセットテープを再生してみた。少しだけ面影のある声が語り始めた。

「このタイムカプセルを開けるとき、私はいくつになっていますか? お嫁さんになるという夢が叶ってるといいと思います。
 将来このテープを一緒に聞く人が、素敵な男の人だといいと思います。その人とおばあちゃんになるまで、幸せに過ごしていたいです」

 僕は殺した妻を埋めることを思いとどまり、警察に自首した。

感想

  • 19132: 阿部和義さん…すごいよ、すごいよ:ゅゅ [2011-01-16]

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