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1%の現実(リアル)

[251]  GOD OF ZERO  2009-08-23投稿
ある日僕は、交通事故に遭った。


目覚めたのは、見知らぬ街。いや、セカイ。
見るもの全てがファンタジー。未来兵器もある。魔法もある。
そしてファンタジーにお約束の、ストーリーがあった。
どこにでもある、平和の為に敵を倒す物語。

幾多の闘いの日々が続いた。長い、永い日々だった。
色々な事を学んだ。様々な事があった。
家族の大切さを知った。命の尊さを教わった。
そして、全てが終わり、平和を手に入れた日。僕は、何もかも打ち明けた。

僕はこのセカイの住人じゃない。此処は、僕にとっては夢なのだと。

・・・・・・覚めたくなかった。でも、みんなは言う。
大切なのは、家族だと。帰るべき場所が、そこには在ると。

僕はその時、やっと判った。一番身近で、一番美しい、宝物に。

そして僕等、共に闘った仲間達は、『友情の証』になる物をつくり、それぞれ一つずつ持った。
その出会いを、永遠に忘れない為に。

別れの時が来た。
僕は、泣いていた。
僕が最後に言った言葉は、涙でくしゃくしゃになった顔で伝えた、「ありがとう」だった。


目が覚めたら、見知らぬ天井。
その目を覗き込み、涙を流しながら呆然とする人の姿があった。
「お兄・・・ちゃん?」
そういえば僕には、妹がいたっけ。
「・・・僕は・・・一体どれくらい・・・?」
「1ヶ月も意識が戻らなくて・・・でも・・・本当に良かったッ・・・!!」
「・・・ごめん。本当にごめん。そして、・・・ありがとう。」
家族というモノを蔑ろにしていた僕が、初めて家族に放った、心からの謝罪と、心からの感謝の言葉だった。
「今、先生呼んでくるね。」
妹は嬉しそうに笑って、医師を呼びに行った。

・・・その時、何かを固く握り締めている事に気が付いた。
そっと手を開いてみると、そこには『友情の証』が静かに光り輝いていた。


END

感想

  • 18972: 家族へ感謝………。私も大切な事を気づかされました!沙愛 [2011-01-16]
  • 18980: 普通のファンタジーとは違う味わい☆化物語私も好きです:ゅゅ [2011-01-16]

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