チンゲンサイ。
一身上の都合により――
今日、俺は会社に辞表を提出した。
提出したと言えば、聞こえはいいが、
実際の所は、叩き付けたも同然だ。
思えば、この会社には高卒で入社し、20年勤務したのだが、
長いようで短く感じた20年だった。
『家族に何て言おう‥‥‥。』
一言呟いてみた。
誰も返事など、してくれる訳ないのに。
公園のベンチで独り、物思いにふける。
『あんなクソ上司の下で働いてたら、こっちまで人間腐っちまう。』
感情的になってしまったのを後悔する事はあるかも知れないが、
これだけは断言出来る。
会社を辞めた事を後悔する事は絶対にないと。
今年で39歳になる俺には、18歳と15歳の息子がいる。
高3と中3で、共に受験生である。
仕事を辞めた事を、妻に打ち明ける事よりも、
彼ら2人に、どう説明すればよいかと考える事の方が、今の俺には憂鬱だった。
感想
- 19336: 揚羽:ちょいまち?実話?それとも小説? [2011-01-16]
- 19343: これは、つい最近まで私がお世話になった上司の、 [2011-01-16]
- 19344: 実話をもとに、脚色した小説です? [2011-01-16]
- 37401: さっ読者開始ぃ☆さんちゃん [2011-01-16]
「 麻呂 」の携帯小説
- 奈央と出会えたから。<434>
- 奈央と出会えたから。<433>
- 奈央と出会えたから。<432>
- 奈央と出会えたから。<431>
- 奈央と出会えたから。<430>
- 奈央と出会えたから。<429>
- 奈央と出会えたから。<428>