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消えた30の瞳 ?

[383]  内田俊章  2009-08-28投稿
 道中、吹雪は収まらず、休憩所に到着したのは、8時を過ぎていた。

 矢口たちも、2次災害を防ぐために“捜索は明朝から”と変更して、3号目の休憩所で夜を明かす事になった。

 翌朝は、昨夜の吹雪が嘘の様に晴れ上がった。

 午前7時、麓で待機していた捜索隊も合流して、本格的な捜索が開始された。

 ところが、目撃情報が全く無い。

 飛び立ったセスナ機を、何人かの家族が見送っていたが、約5分後には、恐神岳の頂上付近の雲に隠れたと言う。

 恐神岳は、麓から見える“本恐神”の他に“裏恐神”と“奥恐神”と呼ばれる部分がある。

 南側に面している“本恐神”はなだらかな斜面が多いが“裏恐神”は北西の方角の絶壁で、幾つかの尾根と深い谷がある。

 “奥恐神”は、恐神岳の北東にある“鳴神山(めいしんざん)”に連なる細い尾根が有り、その両側は、深い谷と尾根が、幾重にも重なり合っている。

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