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キャッチボール 第41話〜決心〜

[342]  るー6  2009-08-28投稿
なぜ陽太が待っているのか。誰も知らない。
「ここで…きっぱりと…」陽太は何かを決心したようだ。
30分後、人の気配を感じた。
龍吾だ。
陽太は、龍吾の早く来る性格を利用して、この時を待っていたのだ。
「龍吾…。」
「どうした陽太。こんな朝早くに。」
すると陽太は重い口を開いた。
「みーくんと…もう関わらないでくれる?」
その言葉に龍吾は唖然とした。
不幸が 重なっていく。
「えっ…オレが…?」
「そう。みーくんはね。こういう振り回す人と一緒にいると、持病が悪化してしまうからだよ。」
龍吾は陽太にすがりついた。
「せ…せめてその持病だけでも教えてくれ。」
「何で?龍吾のそういうところが、みーくんを振り回す原因になるんだ。君に教えたって、結局励ますことしかできないんでしょ?」龍吾はただ、下を向くしかなかった。
「君はみーくんに対して何も分かってない。」
川の流れのように冷たい陽太の一言が龍吾の胸に突き刺さる。
「みーくんを助けるとか、そういうのは君には無理なんだよ。」
「オレは…。」
「本当は君がみーくんを苦しめているんだよ。」
しばらくの沈黙が訪れた。破ったのは龍吾だった。
「オレは、みーくんと友達になろうって決めたのは、みーくんの事を少しでも多く知りたい。助けてやりたい。って思ってたからなんだよ。でも、今陽太が言ったことは、これからどんどんみーくんの事を知ろうと思っているオレをけなしているみたいで傷ついた。陽太だって、いつから友達なのか分からないけど、みーくんの事100%知っている訳じゃないだろう。」
目覚めさせるような強い言葉。それに陽太は
「これからみーくんに会うんだろうね。くれぐれもみーくんを傷つけさせないように、龍吾なりに頑張れ。あと…」
「何?」
「みーくんは。心の病気だ…。生まれたときから精神状態が悪くて…感情の変化が激しい。月に1回…精神科医による精密検査を受けている。口に出してみーくん言わないけど…担当医に聞いたら、どんどん悪化してるって…最悪の場合死ぬって…。」
「……。」
龍吾は驚く。
「みーくんが…。」
『最悪の場合死ぬって。』『本当は龍吾が、みーくんを苦しめているんだよ。』涙があふれてきた。
「オレが苦しめてた…?」

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