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君がいる〜溶解〜

[124]  ふく  2009-08-28投稿
身体は溶け合う振りをして
結局は一つ一つ別の固体でしかないのだから

君が言った
窓の外を眺めて不意に寂し気な表情をする
『生まれ変わってもさ、私達はこうやってまたお互いを好きになるのかな』
それはそうだよ
僕はきっとまた君を好きになる

『同じ時に出会えたのって、やっぱり奇跡でしかないよね』
そう言った君は今にも泣きそうな顔をしていた
それが何だか僕を悲しくさせて
君の発する言葉にただ頷くことしか出来なかった

『生まれ変わったらさ』
君は言葉を詰まらせて俯いていた
そして口元に少し笑みを浮かべて僕を見た
『二度と別れることがないように、一つの身体で生まれたい』

胸を打つ言葉だった
だからまた何も言えなくなったんだ
そんな僕を見て笑っていた
『ある歌の詞にそんな言葉があったの、だから言ってみただけ』
そう言って優しく笑っていた

君が言えば大きな意味を持つ
君の嘘も冗談も
僕にとっては忘れられない言葉になる

そうだね
君が言ったように
僕等が一つの身体であれば
嬉しい時も悲しい時もずっと同じ思いをしていられるのに
僕等を引き裂くものなんてなかったのに

でもさ
そしたら君を想って胸を痛めることも
こうして抱き締めることも
手を繋いで歩くことも出来ないんだ
そんなの嫌だよ

君はいつも僕より先の未来を見ていたね
その度に遠い目をしていた
そんな君に『ずっと一緒』だと言ってあげたかった
君の手が僕から離れないように
もっとぎゅっと握ってあげたかった
心まで溶け合うまで
側にいてあげたかった

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