時の流れに身をまかせ
「……あなたとは、結婚できないの……」
彼女から別れ話を切り出されたのは、付き合って二年が経とうとしていた春だった。
彼女は二人姉妹だったけれど、妹はまだ高校生だ。必然的に婿養子をとらなくていけないことになっていて、僕が長男であるがために両家の関係はうまくいっていなかった。
「そうか……。仕方ないよな」
時間をかけて両家を説得していたのだけれど、僕たちの疲労は限界にきていた。こうするしか他に方法はないと悟っていたのに、なかなかその一言が言えなかったのだ。
僕たちはしばらく俯いたまま、ただ時の流れに身をまかせていた。出会うのがもう少し遅かったのなら……。
それから一年が経った。
彼女は、職場の同僚と結婚したと風の噂に聞いた。相手は僕と同様に長男のようだ。
あれから妹が卒業と同時に結婚して、婿養子をとったらしいけれど……。
彼女から別れ話を切り出されたのは、付き合って二年が経とうとしていた春だった。
彼女は二人姉妹だったけれど、妹はまだ高校生だ。必然的に婿養子をとらなくていけないことになっていて、僕が長男であるがために両家の関係はうまくいっていなかった。
「そうか……。仕方ないよな」
時間をかけて両家を説得していたのだけれど、僕たちの疲労は限界にきていた。こうするしか他に方法はないと悟っていたのに、なかなかその一言が言えなかったのだ。
僕たちはしばらく俯いたまま、ただ時の流れに身をまかせていた。出会うのがもう少し遅かったのなら……。
それから一年が経った。
彼女は、職場の同僚と結婚したと風の噂に聞いた。相手は僕と同様に長男のようだ。
あれから妹が卒業と同時に結婚して、婿養子をとったらしいけれど……。
感想
- 19556: あー、素敵だー。思いが伝わって来る文章だあー:ゅゅ [2011-01-16]
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