となりのあいつ
アイツはしっかり者で真面目で、いっつも授業中寝てる俺なんかとは真逆の人間。
そんな俺とアイツ。
偶然なのか必然なのかよくわかんないけど、今は隣りにアイツ。
授業中アイツの方に顔を向けて、寝たフリかましてしてチラ見。
目が合いそうになるとまた寝たフリ。
今日もそうだった。
アイツを見ていたら、アイツが横を向いた。
俺は急いで寝たフリをした。
「…すき」
すべてのものが一瞬止まったかように、アイツの声だけが聞こえた。
聞き間違いかと思った。
でも声は確かにアイツ。
薄目を開けるとまだこっちを見ていた。
アイツは悲しそうな笑顔を浮かべてた。
そんなアイツの顔が焼きついてしまい、何かに駆り立てられた俺はノートを破り、殴り書いた。
“ばーか
俺のが好きだし”
アイツが前を向いたとき、アイツの顔めがけて投げた。
アイツはびっくりして、ぐしゃぐしゃになった紙を広げた。
どんな反応をするのか気になって、俺は自身最長の長さでアイツを見つめてた。
気を抜いた一瞬。
アイツと目が合った。
俺は恥ずかしくなってすぐに顔を伏せた。
でもすぐ顔に紙が当たった。
“ばーか
わたしのがスキすきだよ”
隣りのアイツは、今日から俺の恋人。
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