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教師恋愛中毒(4)

[1166]  ハル  2005-11-23投稿
気がつけば僕は彼女の事を考える時間が増えていた。

帰りの挨拶が終わったばかりの教室。
まだざわめきが残っている。

「なぁなぁ!椎矢って可愛くね?」

聞えて来たのはすぐ傍にいた男子2人の話し声。
ななの名前が出たからすぐに耳がそっちの会話を盗みに向かう。

「ななかぁ。お前じゃ無理だしょ?」
「無理かぁー??アイツ優しそうだから強引にしたらハイって言いそう。」
「無理無理。あーゆータイプ逆にこっちが巧く丸めこまれるから。」
「でも可愛いよなぁ。」

何故か心が疼いた。

そう彼らは恋愛を好きなように出来る。
だけど僕は・・・

え?僕は・・・恋愛?僕が・・・?誰に?

ななに・・・?

そう思った瞬間少しだけ教室が違うように見えた。

知らなかった、僕は彼女に。

イケナイイケナイイケナイイケナイイケナイ!!
こんな思いすぐに捨て去らなければ。
イケナイ。

そんな時に限って彼女は近い。

放課後の教室掃除に残ってくれるのはななだけだった。
皆、サボって行ってしまう。
この荒れた教室を彼女が汚しているわけなんてないのに。
彼女はそれでもいつも懸命に掃除をしてくれる。

「先生?先生!?」

物思いに耽っているとななが僕を覗き込んだ。
一瞬ドキっとする。

「あたしチリトリやるんで、ゴミはいて下さい。」
ななそう言ってしゃがみ込む。

愛おしい。

愛おしくて泣き出しそうだ。

「先生、奥さんと子供いますよね?」
「え・・・う・・・うん。」
「先生は家ではパパなんですね。何か解んないなぁ・・・。」

彼女とはなるべく家庭の話なんてしたくなかった。
何故だか。

「解んない?俺が父親なのが?」
「うん。だって先生優しそうだもん。」
「えっ?・・・」

彼女の意味深な言葉。
その意味を僕が知ったのは突然の事だった。

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