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消えた30の瞳 ?

[386]  内田俊章  2009-09-03投稿
 地図は完成したが、矢口の父親は、頑固で変わり者。

 その様な父親が手掛けた地図を、役所を始め、ほとんどの者が、正式な物とは認めず、活用はされなかった。

 ところが、昨年の夏に発生した滑落事故で、その地図は活躍した。

 古い雪渓と、比較的新しい雪渓の間には、明確な境目が出来る事がある。

 役所の地図は、それを一つの塊の様に表記しているが、矢口の父親の地図には、その境目が明確に書かれていた。

 更にその下には、地熱による空洞が有る、とも書かれていた。

 矢口は、父親の地図を基に、その境目に沿って捜索を続けた。

 すると、遭難した人が滑り落ちたと思われる穴を発見したのだ。

 矢口は、雪の上に寝そべり、穴に首を突っ込んで叫んだ。

 「オーイ、聞こえるか?」

 「ここに居まーす。助けて下さいー!」


 事故が起きて18時間、無事に救出することが出来たのだ。

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