Dream。
不思議な、夢をみた。
「大きくなったら結婚しようね!」
「うん!約束!」
「でも…葵ちゃんは」
「えっ?」
「葵ちゃんは……だから」
「えっ?よく聞こえなかったよ、もう一度…」
「僕もう行くね。」
「えっ、えっ??」
「ばいばい、葵ちゃん」
「待って!」
どこへ?
まって…
待って!
「かなた!」
ピピピピッ。
ガバッ!
「…?」
なんだろう、今の夢。
あたし今、誰の名前を呼んだの?
かなた…?
そんな名前に、心当たりなんてなかった。
トントントントン。
二階のあたしの部屋から出、階段を駆け降りていく。
自慢じゃないけど、目覚めはいい方だと思う。
「お母さん、おはよ」
「あら葵、今日は遅いわね」
高野 葵。
17才、高校2年生。
特徴は、……童顔。
大きくてまるい瞳に、ぷっくりとした頬。
誰がどうみても、中学2年生くらいにしかみえないようなものである。
だが、葵は、その童顔に似合わぬしっかりとした性格で、周囲の人々を驚かせてきた。
「かなた…」
呟いてみる葵。
もちろん、いい名前だな、なんてそんな事を思っている訳ではなく。
(どこかで聞いたことあったっけ…)
思考回路を張り巡らせていた。
そして、ふと時計に目をやると。
「くっ、9時?!」
バスがくるのは9時10分なのに!
「お母さん!今日あたし朝ごはんいらない!」
「作ってないからいいけど…」
「ええっ?!」
こ、この母親は。
待っていなくてよかった。
だが急がないと遅刻だ。
葵は急いで制服を着て、家を飛び出した。
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