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Dream。

[239]  @あおいちご。  2009-09-03投稿

 不思議な、夢をみた。


「大きくなったら結婚しようね!」
「うん!約束!」
「でも…葵ちゃんは」
「えっ?」
「葵ちゃんは……だから」
「えっ?よく聞こえなかったよ、もう一度…」
「僕もう行くね。」
「えっ、えっ??」
「ばいばい、葵ちゃん」
「待って!」

どこへ?
まって…
待って!


「かなた!」
ピピピピッ。


ガバッ!


「…?」
なんだろう、今の夢。
あたし今、誰の名前を呼んだの?
かなた…?
そんな名前に、心当たりなんてなかった。



トントントントン。
二階のあたしの部屋から出、階段を駆け降りていく。
自慢じゃないけど、目覚めはいい方だと思う。


「お母さん、おはよ」
「あら葵、今日は遅いわね」


高野 葵。
17才、高校2年生。
特徴は、……童顔。
大きくてまるい瞳に、ぷっくりとした頬。
誰がどうみても、中学2年生くらいにしかみえないようなものである。
だが、葵は、その童顔に似合わぬしっかりとした性格で、周囲の人々を驚かせてきた。



「かなた…」
呟いてみる葵。
もちろん、いい名前だな、なんてそんな事を思っている訳ではなく。

(どこかで聞いたことあったっけ…)

思考回路を張り巡らせていた。

そして、ふと時計に目をやると。

「くっ、9時?!」

バスがくるのは9時10分なのに!

「お母さん!今日あたし朝ごはんいらない!」
「作ってないからいいけど…」
「ええっ?!」

こ、この母親は。


待っていなくてよかった。
だが急がないと遅刻だ。
葵は急いで制服を着て、家を飛び出した。

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