君からの手紙〜61〜
「俺は、15年前、体を壊して休職してたことがあってな…実家が北海道にあるんだが、地元の病院で、ある兄妹に出会ったんだ。妹さんは、かわいそうなことに余命わずかなことを、聞かされたんだ」
「そうだったんですか」
「そして、そこで、ある曲のことを聞かされたんだ。
そして2年前、この近くの病院で、ある青年2人に出会ったんだ…聴いたんだよ。曲を…車イスの青年の前で歌うもう1人の青年の曲を。
同じ曲だった…運命だと思った。
俺は、手紙のことも聞いた。
きっと、これは運命のいたずら…いや違う。時を越えて、俺が導かなければ…と思ったんだ」
「店長…その全てのこと、店長は知っているんですか?」
「ああ…荒木君がこの店に来たことも、夕樹さんが来たことも、全ては宿命だと思った。2人にとっては、辛かっただろう…もっと早く解決してあげればと…何度も思った」
「そうですよね。でも、思い止まらざるをえなかったんだよ…だが、宿命はもう1つある」
「もう1つ?それは何でしょう?」
「石田君…もう君自身が、わかっていて、心に秘めていることだと思うけど…もう明かしてくれないか?」
「…」
石田は沈黙した。
いつかは、言われるだろうと思っていたからだ。
店長は、ことの成り行きを知っている
「辛いだろうと思う…もう心の奥底から消し去りたいと思う。最後に一回だけ歌って欲しい。石田君…いや『秀さん』と言った方がいいかな…」
それを言われて、石田は覚悟を決めた
何よりも、和枝と話したこと…わだかまりを捨てて、前へ進むこと。何かを乗り越えること…
「知ってらっしゃったんですね。俺がずっと、辛い思い出としていたこと…」
「本当に済まない。だが、石田君…いつか、それは乗り越えなきゃと思うんだ。歌うことで、全ての思いが、報われると思うんだ」
石田は、店長の熱意に打たれた。
利夫が死んだ時、もう二度と、この歌は、表に出したくないと思った。
だが、嶋野が自分の前に現れたこと、そして、それをめぐる全てのことが、もう一度歌うことによって、動きだす。
「…わかりました。明日歌います。これが本当に最後ですけど…」
「ありがとう。本当にありがとう」
店長は、石田に感謝した。
「そうだったんですか」
「そして、そこで、ある曲のことを聞かされたんだ。
そして2年前、この近くの病院で、ある青年2人に出会ったんだ…聴いたんだよ。曲を…車イスの青年の前で歌うもう1人の青年の曲を。
同じ曲だった…運命だと思った。
俺は、手紙のことも聞いた。
きっと、これは運命のいたずら…いや違う。時を越えて、俺が導かなければ…と思ったんだ」
「店長…その全てのこと、店長は知っているんですか?」
「ああ…荒木君がこの店に来たことも、夕樹さんが来たことも、全ては宿命だと思った。2人にとっては、辛かっただろう…もっと早く解決してあげればと…何度も思った」
「そうですよね。でも、思い止まらざるをえなかったんだよ…だが、宿命はもう1つある」
「もう1つ?それは何でしょう?」
「石田君…もう君自身が、わかっていて、心に秘めていることだと思うけど…もう明かしてくれないか?」
「…」
石田は沈黙した。
いつかは、言われるだろうと思っていたからだ。
店長は、ことの成り行きを知っている
「辛いだろうと思う…もう心の奥底から消し去りたいと思う。最後に一回だけ歌って欲しい。石田君…いや『秀さん』と言った方がいいかな…」
それを言われて、石田は覚悟を決めた
何よりも、和枝と話したこと…わだかまりを捨てて、前へ進むこと。何かを乗り越えること…
「知ってらっしゃったんですね。俺がずっと、辛い思い出としていたこと…」
「本当に済まない。だが、石田君…いつか、それは乗り越えなきゃと思うんだ。歌うことで、全ての思いが、報われると思うんだ」
石田は、店長の熱意に打たれた。
利夫が死んだ時、もう二度と、この歌は、表に出したくないと思った。
だが、嶋野が自分の前に現れたこと、そして、それをめぐる全てのことが、もう一度歌うことによって、動きだす。
「…わかりました。明日歌います。これが本当に最後ですけど…」
「ありがとう。本当にありがとう」
店長は、石田に感謝した。
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