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Dream。[2]

[171]  @あおいちご。  2009-09-04投稿

ブォォォォォ…
バスが遠のいていくのが見える。
「ああ…」
葵は悲嘆の声をあげた。

遅刻だ。


†*†*†*†*†*†


「全く…お前みたいな奴が遅刻なんてどうしたんだ」
「あの…いえ、すみません…」
うなだれたまま謝る葵。
まさか、
”夢のせいです”
なんて言えるはずもなく、1限目はまるまる一時間お説教をされたのであった。

もともとしっかりしている葵なのだから、大目に見る…なんて考えは甘い甘い。

私立星条学院高等学校、
超がつくお嬢様学校である。
遅刻なんて以っての外、
授業中にくしゃみをしただけで教室の外に放り出される。

そんなお嬢様学校の、おかしいほど厳しい教師からたっぷりとしごかれた葵は、
教室に入ってやっと何かが違う事に気付いた。



お嬢様学校といえど、いつもは荒れ放題の教室は

机や椅子がきっちりと整えられ、
前の黒板には
「WELCOME」
という字が大きく書いてあった。


WELCOME?


席に着き、隣の席の親友.奈々に声をかける。

「ねえ今日、なんかあったの?」
「あれ、葵知らないの?…あ、遅刻だっけ」

ニヤニヤしながら話し出す奈々。
完全に面白がってるな、こいつ。

「それ、あんまり言わないでくれると嬉しいんだけど。」
「あーっごめんごめん、なんかさ今日…」

奈々が口を開きかけた瞬間…

キーンコーンカーンコーン…
キーンコーンカーンコーン.

「やば」

チャイムが鳴り、二人は慌てて前をむいた。
教師が教室に入ってくる。


「きりーつ」

そして、いつものように授業が始まる。


*†*†*†*†*†


つん。
つんつん。


(…ん…………)


つんつん。


誰かが…あたしをつついてる?


とん。
とんとん。


つつく力が少し、強くなった。


……何………?…
あたしに何の用…
奈々……………?
また先生に怒られるよ…
授業中なんだから…
授…………業中…
授業中………
授業中?
え…?あたしは?
あたしは…何してるの…
授業中…

ハッ.

授業中!!!

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