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幼なじみ16

[362]  フラン子  2009-09-05投稿
アイスを買って食べながら歩き、自宅前まで来ると、玄関先に誰かが座っている。

……勇だ。

勇はまだ私に気づいていない。座って携帯をいじっている。

私は思わず少し離れたところに隠れた。

(えー、何しに来てんの?!この前の復讐?)

私が一人で動揺していると、バッグの中の携帯のバイブが鳴った。

慌てて携帯を見ると、勇からの電話だ。

私は出ようかどうしようか迷った。迷ってる間に着信が切れた。

勇のほうをそっと覗いてみると、頭をかきながらスポーツバックを抱えて歩いていってしまった。


勇と話したい。だけど、きっぱりと「女として見れない。」と言われるのが怖い……。

私は家に帰って、部屋のベッドに倒れこんだ。

「どうしたらいいんだろう……」


……その日の夕方。

「花ー!ご飯よー!帰ってるんでしょ?降りてきなさーい!」

お母さんの呼ぶ声で目が覚めた。
どうやら帰ってきて制服のまま昼寝していたらしい。

私はほっぺのヨダレを拭いながら部屋着に着替えた。
台所へ降りると、居るはずのない人がテレビの前に座っている。

「………よう、花。」

振り向いて勇が笑った。

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