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幼なじみ17

[360]  フラン子  2009-09-05投稿
「……あ、勇だ。」

勇のあまりの自然体に私はつられてしまった。
さっきまであんなに逃げ隠れしていたのに。


「何しに来たの?」

「こないだお前にゲームソフト借りてたから返しにきた。そしたらおばちゃんが『ご飯食べて行ったら?』って。」

「二人とも早く座って。あ、花はお父さん呼んできなさい。」

「はーい」

私は廊下に出て一呼吸した。

(勇はこないだのこと、何とも思ってないみたい。昼間玄関先に居たのだってゲームソフト返しに来ただけっぽいし……。私ばっかり意識してバカみたい。もう考えるのやめよう。)


晩ご飯を食べていると、お母さんが勇に色々話しかけ始めた。

「勇ちゃん、バスケ頑張ってるみたいね。県大会どうだったの?」

「ベスト8には入りましたけど……優勝は出来なかったっす。」

「大したモンよ〜。ねぇ、花もそう思うでしょ?」

「あ?ああ、うん。すごいね。」

「お前ほんとにそう思ってないだろ?」

勇が肘でつついてきた。

「お、思ってるよ!あーお腹いっぱい、ごちそうさま!じゃ、勇、ごゆっくり♪

「…ちょっ、花。」

私は食器を流しに置き、そそくさと自分の部屋に戻った。

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