キャッチボール 第44話〜揺れる友情〜
陽太はこの1年で実は龍吾の携帯の電話番号とメールアドレスを交換していた。
行こう。
陽太は決意をした。
「じゃあね。」
「じゃあね。みーくん。」陽太はみーくんと別れるとすぐ携帯を開いた。そして龍吾に…
『ちょっと、石田中で待ってて。』
とメールした。
石田中前。
中学3年になった龍吾は、背もぐんと伸び、体つきもしっかりしてきた。
「どうした陽太?」
陽太と待ち合わせをした龍吾は、家へと誘った。
「おじゃまします。」
「ところで、何の用?」
「みーくん、忘れてないよね。」
陽太の一言に黙り込む龍吾。
「……。」
「今、みーくんは、お母さんが死んじゃって、お父さんと生活している。お父さんは少し心を入れ替えたって。でもそのせいでクラスの人から、親連れてこいとか言われていじめられてる。みーくんは柏の高校に合格したから、この年で柏に引っ越すって。」
「えっ…?」
「最初は栃木に引っ越すことも考えてたらしいけど、高校のせいで、石下じゃ遠いから、柏に引っ越すって。」
「あぁ。そうか。」
龍吾は力なく納得した。
「後悔しないの?それでいいの?」
その言葉に龍吾は
「みーくんと話すことなんてもう何もねぇよ。」
「龍吾!おまえの本当の気持ちは違うだろ!」
「そんな話するんだったら帰ってくれ。」
「龍吾…」
「後悔はしてねぇ。みーくんがオレを…」
「分かった。」
陽太はとぼとぼと帰るしかなかった。
陽太が帰った後、龍吾は携帯をぼんやりと見つめた。「みーくんと話すことって…何もねぇ…か…」
携帯を開いても、電話する勇気もなかった。
「オレはどうしたら…」
すると姉ちゃんが、
「龍吾、お客さん。」
「オレに?誰?」
「岬くん。」
「えっ…」
玄関をあけると
「久しぶり。」
みーくんは全然龍吾に目を合わせない。
「おぅ。久しぶりだな。」「別に話さなくてもいいと思ったけど、僕は柏市に引っ越す。」
機械のように淡々と話している。龍吾は変わったみーくんに表情が曇る。
「うん、聞いた。」
「聞いたならいいや。じゃ。」
と言ってすたすたと帰っていった。
このままじゃ、みーくんが引っ越してしまう。
何も言えないまま、時間だけが過ぎていく。
「オレもみーくんも…これで後悔してないって言い切れるのかよ…」
龍吾の胸は締め付けられていた。
行こう。
陽太は決意をした。
「じゃあね。」
「じゃあね。みーくん。」陽太はみーくんと別れるとすぐ携帯を開いた。そして龍吾に…
『ちょっと、石田中で待ってて。』
とメールした。
石田中前。
中学3年になった龍吾は、背もぐんと伸び、体つきもしっかりしてきた。
「どうした陽太?」
陽太と待ち合わせをした龍吾は、家へと誘った。
「おじゃまします。」
「ところで、何の用?」
「みーくん、忘れてないよね。」
陽太の一言に黙り込む龍吾。
「……。」
「今、みーくんは、お母さんが死んじゃって、お父さんと生活している。お父さんは少し心を入れ替えたって。でもそのせいでクラスの人から、親連れてこいとか言われていじめられてる。みーくんは柏の高校に合格したから、この年で柏に引っ越すって。」
「えっ…?」
「最初は栃木に引っ越すことも考えてたらしいけど、高校のせいで、石下じゃ遠いから、柏に引っ越すって。」
「あぁ。そうか。」
龍吾は力なく納得した。
「後悔しないの?それでいいの?」
その言葉に龍吾は
「みーくんと話すことなんてもう何もねぇよ。」
「龍吾!おまえの本当の気持ちは違うだろ!」
「そんな話するんだったら帰ってくれ。」
「龍吾…」
「後悔はしてねぇ。みーくんがオレを…」
「分かった。」
陽太はとぼとぼと帰るしかなかった。
陽太が帰った後、龍吾は携帯をぼんやりと見つめた。「みーくんと話すことって…何もねぇ…か…」
携帯を開いても、電話する勇気もなかった。
「オレはどうしたら…」
すると姉ちゃんが、
「龍吾、お客さん。」
「オレに?誰?」
「岬くん。」
「えっ…」
玄関をあけると
「久しぶり。」
みーくんは全然龍吾に目を合わせない。
「おぅ。久しぶりだな。」「別に話さなくてもいいと思ったけど、僕は柏市に引っ越す。」
機械のように淡々と話している。龍吾は変わったみーくんに表情が曇る。
「うん、聞いた。」
「聞いたならいいや。じゃ。」
と言ってすたすたと帰っていった。
このままじゃ、みーくんが引っ越してしまう。
何も言えないまま、時間だけが過ぎていく。
「オレもみーくんも…これで後悔してないって言い切れるのかよ…」
龍吾の胸は締め付けられていた。
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