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キャッチボール 第45話

[353]  るー6  2009-09-05投稿
2時間後…
「ちょっと出かけてくるか。」
扉を開けて外に出た龍吾。そこには、
「このくらいの時期が丁度いい。」
「え?」
まさか…あの時オレが殴った奴…
驚いていると龍吾は少年に腕をつかまれ、腹に蹴りを入れられた。
「何だよお前ら。」
「よくオレたちを殴ってくれたね。」
「……!」
「忘れてたんだろ?」
「い…いや…」
あの事件は、みーくんと深い関わりのある事件。今の龍吾では何も言えなかった。みーくんと絶交した龍吾は、この事件はただの暴力事件に変わってしまった。「あの時は…ごめん。」
素直に謝るしかなかった。「あぁそうか。謝ればすむと思ってんのか。」
「ごめんなさい。」
すると龍吾の髪を引っ張り、身動きとれなくした。
「うぜぇんだよ!その謝り方が!」
3、4人の少年に囲まれては、さすがの龍吾も歯が立たなかった。

その頃僕は家で
「あっ!携帯がない。」
僕は龍吾の家に行ったことを思い出して、
「落とした…」
すぐ家を出た。

龍吾は殴られながら、道に落ちている携帯を発見した。
「あれ、みーくんの…」
「何て言った。」
「いや…何でもないです…」

しばらくの時間が流れる。近くの空き地でいじめられてい龍吾。
夕方。人が動く時間帯だというのに、こういう時に限って人通りは全くない。
『誰も助けてくれない…』龍吾の前に見えはじめた絶望。

そう思っていた自分が今となっては。
前からみーくんがやってくる。

僕は携帯を拾うと、人の気配を感じ、ふとその方向を見つめた。
龍吾と他の3、4人が何やら…ケガをしているのは龍吾1人。
もしや…龍吾が?
その少年たちは僕を見つけると
「逃げるぞ。」
と言って逃げていった。
「タカ…?」
まさか…。今頃龍吾を。

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