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あなたがいるだけで。?

[261]  ゆう  2009-09-06投稿
あの日から、帰る時間をずらして大嶋くんとは会わないようにしている。
あんな態度をとって…
自業自得のくせに。





「…、廣瀬!」
絵を描くことに集中していて、呼ばれたことに気づかないでいた。
振り向くと、そこには木村くんがいた。

「優、私教室戻ってるね。」
事情を知っている花は気を遣って席を立つ。

「ごめん。活動中に…」申し訳なさそうに木村くんが言う。
「大丈夫だよ…。私こそ、ごめんなさい。ずっと返事できてなくて…」
「…返事、もらえるか?」
芯の強い、はっきりとした声で木村くんが言った。じっと目をそらすことなく私を見ている。
「私…」
木村くんの視線に耐えきれず目をそらす。
「好きな人がいて…だから、木村くんと付き合えない…ごめんなさい…」
胸が重苦しく、ギュッと何かに掴まれているような感覚だ。
木村くんを傷つけているんだから、当然だ。
「…分かった」
「ほんとにごめんなさい…」


「じゃあ俺たち友達になろうぜ」



一瞬、訳が分からず私は反応できずにいる。
友達?


「俺、廣瀬のこと応援するからさ!」
満面の笑顔で木村くんが言う。
「だっ大丈夫っ!応援とか…いいから」
「ダメだ!廣瀬が幸せになってくれなきゃ、フラれた俺の立場ねぇじゃん」
「そんな…」
たぶん私は困ったような情けないような顔をしていたと思う。
応援も何も、今は大嶋くんと話せるようになっただけで十分幸せなのに… これ以上なんて…。
「そういう事だから、これからもよろしくな!廣瀬!」
困り果てている私を残して、木村くんは颯爽と美術室を後にした。





続く

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