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祝福のステージ 2

[97]  キャビン  2009-09-06投稿
 目の前にスタッフに止められながらもステージに登ろうとする女の姿が見える。彼はその姿を見てその女をここへ連れてきてくれ!と叫んだ。肩で息をしながら女はしゃべりだした。
 「ごめんなさい。私親にあなたのこと話したの。そしたらすごい反対されて……。ミュージシャンだしね。お父さんなんかあいつと別れないかぎり親子の縁を切るって。だから私は出ていった。で、他の恋を探そうと思った。でもだめだったの。やっぱりあなたじゃないと無理……!私、付き合ってたのは正直お金目的だった。あなたは何でもくれたしいい金づるだと思った。でもあなたはいつも優しかった。いつも笑って本当に楽しそうな顔をしていた。それで私もあなたに惹かれていった。だからもうダイヤもブランドもいらない!あなたさえいればそれでいい!出てったことを許して下さい……本当に大好きだから。」
 彼は女の話を注意深く聞いていた。涙は笑顔に消されていた。
 「まなみ、ありがとう。」
 「怒っていいんだよ。あんなひどいことしたんだから。あなたを裏切ったんだよ!」
 「いや、今君の本当の気持ちが分かって本当に嬉しい。」
 「ありがとう。」
 彼の白い歯が見えた。
 「君がここに来たってことはみんなに俺の恋人がばれる。しかもこのマイクはつけっぱなしでさっきからみんなに聞こえてる。だからもう言い訳は効かない。君は俺の愛する人だ。だからさ、お父さんには悪いけど俺は君と別れる気なんて全然ない。それから君が戻ってきたら渡そうと思っていた物があるんだ。」
 彼は一旦ステージから出てすぐに戻ってきた。手には黒いケースが見える。開いた中に光る物が見えてそれを彼女の前に出した。
 「結婚しよう。」
 彼女は暫らく驚きで声も出せない。なんとか声を出そうとして……。
 「はい……喜んで。」
 観客は彼女が現われてからずっと驚きのあまり唖然として事態を見守っていたが彼女のこの一言を聞いて一斉に叫んだ。しかしそれは妬みではなく、ただ二人への祝福の言葉であった。

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