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春の恋4

[339]  フラン子  2009-09-06投稿
次の日の朝。

奈々は泣き腫らしたような目をして来ていた。でもそれ以外はいつもの奈々だ。

奈々:「春〜!お弁当食べよう〜♪」

いつもの窓際で奈々とお弁当を食べていると、また猛クン達がベランダを歩いてきてる。
奈々はチラっと猛くんを見た。

猛:「……よォ。」

いつもより猛くんは元気がない。奈々の機嫌をとるように挨拶してきた。

奈々:「………………。」

奈々は猛くんを無視して黙々とお弁当を食べている。

猛くんが気まずそうにその場を離れていった。

猛くんの向こう側で、こちらを見ている透くんと目が合った。

この気まずい二人をどうにかして欲しくて、とっさに透くんに助けを求めるように目で訴えた。

透くんはそれを見て、フッと口に手をあてて笑っている。
ムッときた私は透くんを睨みつけた。


透くんは『ア・ト・デ』と口パクでそう言って、猛くん達と行ってしまった。


奈々:「春、猛と付き合うの?」

春:「へ?……有り得ないよ。」

奈々:「どうして?」

春:「えーと、好きな人いるから。」

とっさに嘘をついてしまった。
頭の中に、さっきの透くんの笑った顔が横切って、またムッとした。

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