ねぇ君

君はどれくらい僕のことを覚えてる
今でも僕を想ってくれている

君は色んな表情を持っていたね
瞬きをする度に君は違う顔をしていた
だから瞬きは勿体ない位だった

今思えば
どんなに目が渇こうと涙が出ようと目を閉じずにずっと君を見ていれば良かった

でもさ
人間の記憶にも限界があって
悲しいけどちゃんと思い出せないんだ
君の沢山の言葉は思い出せても
その時に君がどんな表情をしていたか
思い出せることも今は沢山あるけど
きっと時が経てばそれも少しずつ忘れて行くのだろう
そういう生き物なんだ

ごめんね
君が苦しんだ分
君のことを沢山覚えていてあげるべきなのに

君の細部まで愛しているよ
今でもそんな風に思えるんだけど
君が隣にいたら
そう言う僕に『忘れてるくせに』って悪戯に笑うだろう

脳裏に焼き付いた君をどうにか消さずに生きて行きたい

君の声
もう一度聞きたい
鮮明に君が僕の記憶に甦るように

僕の目に録画機能が付いていたら
僕の耳に録音機能が付いていたら

残された記憶の断片を必死にかき集めて
そうやって君を感じる毎日
だけどどうしても思い出せないんだ
君の満面の笑みと
君が今にも零れ落ちそうな程にその目一杯に溜めて何かを堪えている表情しか

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