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春の恋5

[362]  フラン子  2009-09-08投稿
掃除の時間。私の持ち場は体育館へ繋がる渡り廊下付近だ。あまり先生が来ない所で気が楽な場所だ。

ほうきで砂を掃いていると、後ろに人の気配がした。
バッと振り返ると透くんが立っていた。

透:「お待たせ。」

春:「あ、うん。」

透:「まぁ、まずは座ろうか。」

そう言って二人で体育館の入口の階段に腰を下ろした。

春:「透くん、昨日ベランダで会話聞いてたでしょ?私、猛くんはてっきり奈々のことが好きだとばっかり……。あの時居合わせてた透くんにしか相談出来ることじゃないし。」

透:「んー、正解。」

春:「え、何が?」

透くんは基本、口数が少ない。

透:「その、猛が奈々ちゃんのこと好きって所。」

春:「でぇぇ?!そっか……きゃ〜!!」

私は驚きと安心と嬉しさで感情がうまくコントロールできない。口元を押さえて大きな声が出るのを我慢した。

透くんはそんな私を見て、腹を抱えて声を出さずに笑っている。

春:「あれ?じゃあ、昨日奈々が言ってたことは?」

透:「あー、あれは勘違いというか誤解。本当は猛のやつ奈々ちゃんに告白するつもりだったらしいけど、あまりにも緊張したらしくて、いつもの冗談言ったら本気にされたらしい。」

春:「な〜んだ〜」

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