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ほんの小さな私事(89)

[321]  稲村コウ  2009-09-08投稿
「ん?なんだ?また怪我人か?」
保健室の中を覗くと、中から保険の先生の声が聞こえてきた。
「あ…いえ。そうではないのですが…。」
私はそう答えながら中の様子を窺った。
すると中には、先生以外に、怪我をしたらしい生徒たちが、四人ほどいた。
一人は治療を受けている途中で、他の面々は、先生から手渡されたらしいガーゼやティシュペーパーなどで、傷口を消毒している様子だ。
よくよく見てみると、その中の二人が、何かの切り傷を腕や足に負っており、それはあたかも、カッターで切った様な感じの傷であった。
『これは…もしかして…渡り廊下のものと同じ?』
更に、よくよく見てみると、切り傷を負ったうちの片側の生徒は、着ているシャツのあちらこちらが裂けていた。…しかも、それはやはり、カッターで切り裂かれた様な感じだった。
「はいよ、終わりっ。次はどいつだ?あと、入り口のお前さんは何の用だ?」
今まで女子生徒の治療をしていた先生が、女子生徒の腕に包帯を巻き終わった所で、次の生徒を呼びながら、私にも質問してきた。
「今、人を捜しているんですが…。」
そこまで言いかけた所で、先生が手を叩いて声を上げた。
「あー!お前さん、昨日の夕方の!」
彼女は、次の生徒が治療を受けに来ているのにも関わらず、私の所までやってきた。
「どうだい?昨日の娘は見つかったかい?」
その言葉に私は、首を横に振った。

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