消えた30の瞳 ?
尾根から100mも下っただろうか?
矢口は手に持っているポールを、スルスルと伸ばした。
そして、5mにもなるそのポールを、一気に突き刺した。
ところが、2・30cm位しか刺さらない。
「えっ?変だぞ」
矢口は首を傾げ、父親の地図を広げた。
「どうか、したか?」
野崎も矢口の傍へ来て、地図を覗き込んだ。
改めて見ると、古い雪渓と新しい雪渓の境目の線が、真っ直ぐ下まで延びている。
矢口が今、ポールを突き刺したのは、境目の線よりも、10mも西側で、新しい雪渓のはず。
それならば、何故刺さらないのだろうか。
「オヤジの地図が、間違っているのか?」
『斉藤隊長だ!』
2人は同時に、その名前を口にした。
斉藤は、矢口の父親に同行して、地図の作成に携わっていた。
ところが、頑固で融通の利かない矢口のやり方に、うんざりしていた。
矢口は手に持っているポールを、スルスルと伸ばした。
そして、5mにもなるそのポールを、一気に突き刺した。
ところが、2・30cm位しか刺さらない。
「えっ?変だぞ」
矢口は首を傾げ、父親の地図を広げた。
「どうか、したか?」
野崎も矢口の傍へ来て、地図を覗き込んだ。
改めて見ると、古い雪渓と新しい雪渓の境目の線が、真っ直ぐ下まで延びている。
矢口が今、ポールを突き刺したのは、境目の線よりも、10mも西側で、新しい雪渓のはず。
それならば、何故刺さらないのだろうか。
「オヤジの地図が、間違っているのか?」
『斉藤隊長だ!』
2人は同時に、その名前を口にした。
斉藤は、矢口の父親に同行して、地図の作成に携わっていた。
ところが、頑固で融通の利かない矢口のやり方に、うんざりしていた。
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