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DRAGON LOVER 28

[367]  木村蜜実  2009-09-10投稿
奈々ちゃんの体から、オーラが漂う。

それは不思議と優しい気分になる。
それを感じたエリンは僕のそばへと戻って来る。

「あれ…奈々ちゃんなの?」
「あぁ。」

喉元を締め上げていた手をゆっくりと下ろし、ライアンは奈々ちゃんを見つめる。

瞳の色を変え、白い羽根を広げ、宙に浮かぶ。

その姿は、女神とゆうより天使のようなかわいらしさだった…。

「やはり、中途半端じゃったか…。」
ばあさんは奈々ちゃんに近づき、頬をなでる。

「あっ…あたし…。」
涙をぽろぽろと流しながら、ばあさんの瞳をじっと見つめている。

立ちすくむエリン。

ただその姿を口を開けて見つめるライアン。

死神はずっと黙って見ている。

僕は………。
ただ驚くばかり………。

「まだ、未熟かもしれないが、それがお前の姿じゃよ。母親に良く似ておる。」

「お母さんに……。」

一言呟いて、奈々ちゃんはそのまま気を失う…。
元の姿に戻って…。

「お祖母様…奈々ちゃんはどうなるの?」
奈々ちゃんの所に駆け寄り、ばあさんに問い掛ける。
エリンにとって、大切な友達…。

「身篭ったんじゃ…。魔界で暮らしてもらう…。」

「ふざけんなよ!奈々は俺と暮らすんだ!こんなトコにいさせねぇよ!」

さっきから、苛立ちを隠せないライアン…。
気持ちは何となくわかる…。

「ライアン、お前の気持ちはわかる。すまないと思っている。奈々の母親には、わしから話しをする…。モイライは事情を知っておるからな…。」

ばあさんはまた、重い腰を下ろし、一つため息をついた。

「…知ってる?何をだよ。」

「…いずれわかるじゃろうて。死神、ハーン達を送りなさい。」

死神はマントをかけ、僕等を送り届ける。

ライアンと奈々ちゃんを残して…。


「ハーン、エリン、とんだ事に巻き込んだな…。許してくれよ。」
エリンは横に首をふり、

「死神様、あたし達は迷惑だなんて思ってないよ。………それより、これからどうなるの?」

「……そうだな。実話、シヴァ様から、お前達には全て話しておけって言われてるんだ。」

エリンは僕のTシャツの裾を引っ張り、息をのむ。
僕は…死神の瞳をじっと見た。

「実話な…。」

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